▼学校経営に行き詰まりを感じたことがある。保護者の信頼は希薄。職員の意欲も高まらない。組織としてどうしていくかという危機感を抱く日々が続いた。その時、ひらめいたのが、悩みを共有する機会を持つこと。そして、どんなことでもいいので提案しあうという時間の確保であった。

▼無理だろうと最初から決めつけないで考えを出し、実現に向けて工夫をした。その意欲やエネルギーが生まれた。しかし、一つの高まりがあってもそれが次のエネルギーに結びつくには、更なる知恵の出し合いが必要になる。動くことがエネルギーにつながるという手応えを得ている。ピンチを意識したとき知恵が生まれる。

▼学級経営や授業でも同じ。手がかかると思う子。授業がうまく進まないと思うとき悩んでいても始まらない。ピンチを意識しチャンスに変える発想が必要であろう。職員室で「この発問をしたけれど子どもが答えてくれない」と公言する。「子どもってこのような時にいじわるするということが分かった」と公表する。公言や公表をすれば、必ず、誰かが知恵を出してくれる。

▼「私は同じ授業をしない」と公言された人がある。その方の授業をいつも期待をして参観にいく。参観する方も参観される方も緊張感がある。

▼絶えず、自分に新しさを注ぎ込む発想が大切。(吉永幸司)