国語教室始め(5年生)
高 野 靖 人

 思いがけなく隣の学校に異動し、久しぶりに5年生の担任をしている。
 4月。まず、子どもたちの実態把握(特に言語能力面)。そして、国語教室のスタートとして進めているのは、次の3点。

◎ 音読・群読
 昨年度から校内研究で音読が取り上げられ、本年度も継続されている。朝の学習でも、5月からは毎週木曜日に全校で音読に取り組む。そこで現在5年生では、詩の音読を毎日続けている。今、取り上げているのは、高階杞一の「約束」。家庭学習で練習し、学級で成果を発表したり、班で群読したりしている。班での群読については、昨年度の経験を生かして、交互に読んだり、重ねて読んだり、相談して進めることができる。
 最初の学習参観で、準備運動として班での群読発表をさせた。群読を始めて3時間目にもかかわらず、全員が完全に暗唱し、しかも大きな声で発表できた班もあった。音読については、今後学級間・学年間の交流も予定されているので、そうした刺激を生かしながら、基礎基本として継続して指導していきたいと考えている。

◎ 言葉による説明
 例えば、算数の小数で、ある数の10分の1、100分の1を求める問題がある。答えを書いて、丸です間違いですではなくて、なぜそう考えるのか言葉で説明させてみる。ノートに書かせることもあるし、前に出て全体に説明させることもある。理解しにくい子どもへの説明という建前だが、理解しているつもりの説明者も、言葉で思うように伝えることができずに苦戦することが多い。
 実の場で生きる言語力の育成を図るためにも、学習の中での「言葉による説明」を今後も適宜取り入れていきたい。

◎ スピーチ
 始業式の翌日に行った最初の国語は、短作文とスピーチだった。自己紹介のためのスピーチメモ(自分を一言で表すと、今熱中していること)を書き、それを見ながら自己紹介をするというもの。 その後、「5年生でがんばりたいこと」スピーチにも取り組んでいるが、前述の学習参観では、群読の後に、班によるスピーチリレーを行った。子どもたちにとって、全く初めての学習体験である。
 テーマがいきなり与えられ、順番に前の人の話を受けながらスピーチを進めるという学習ゲームである。1文だけのリレーとまとまりリレーの2回行ったのだが、まとまりリレーの方が理由なども述べられておもしろかった。テーマは「委員会」「テレビ」「琵琶湖」など。ポイントは、最後の1人がどうまとめるか、だった。音声表現の基礎となるスピーチにも、今後継続して取り組みたい。
(大津市立仰木の里東小)