巻頭言
鉛筆の持ち方は万国共通
長 尾  寿

吉永先生への返信から
 昔々の教師は我慢強く、丁寧に鉛筆の持ち方を教えました。
 昔の教師は、これではいけないと思いながら見て見ぬふりをするようになりました。
 今の教師は、文字は記号だから書けたらいいのだからどうでもいいと言う。
 いったい、テニスでもゴルフでも、およそスポーツなら、とことんフォームにこだわるのに、どうして学習の土台となる鉛筆の持ち方に指導者の目がいかなくなったのか、教育の荒廃をみるのですが、いかがでしょう。

 およそ、教育というものは、よき伝統を守るという意味で保守的ですが、その保守の牙城である国語科がこの荒廃した鈴筆の持ち方に先頭を切って取り組んで頂きたいと願っています。10人中7〜8人は鉛筆が正しく持てていません。これは教育課程云々より以前の問題だと思うのですが…。
 そんな訳で、主宰者である吉永先生の若者同志への指導が展開され、子どもたちの学習姿勢が改善されていくことを期待しています。

地域紙『からさきの子ども』から
 日本の子どもたちの学力低下が問題になっています。そんな事うちに関係ない、と思っている人は少なくないと思いますが、我が子のことになるとそうは済まされないのが人情です。指の動きが能を刺激する、正しく鉛筆を持つことと学力は深くかかわっています。コンピュータの時代だから字は下手でも支障はないと考える人も増えていますが、文字は記号でなく私たちに語りかけてくれる文化です。
 今の子どもたちは、就学前に自分の名前を書いたり絵本さえも読める子が多くなりました。それは、保育園、幼稚園で教えるというより家庭で教えられることの方が大きいように思います。

 鉛筆をきちんと持つためには先ず、箸が正確に持てなければなりません。園では箸の持ち方を食育の一環として指導していますが箸を持つ機会の多い家庭でも指導して頂くことが大切です。文字指導の始まる学校で、きちんと持っている子は少数ですが、そのうち本人が気づくだろうと見逃しているのが現状で校、園と家庭が連携し癖にならないうちに正しく持てる指導をしたいと思います。
(風の子保育園長)