読む活動と書く活動を関連させて
海 東 貴 利

 本学習は、説明文教材「なにがかくれているのでしょう」(教出1上)を基本に構成した。本文の基本文型を学んだ後、友だちとクイズを出題しあう活動を通して、楽しみながら説明する力をつけることをねらいとした。
 この教材は、2つの擬態する虫について説明している。文章は8つの文だけで構成され、くわしい情報は写真から読み取る必要がある。本文は「問い・答え」の基本文型で書かれていて読みやすい。

第1次
 はじめに写真だけを見て、気づいたことを話し合った。「何がかくれているのでしょう」という教師の問いかけにより、子どもたちは写真の中に何がかくれているのかをじっくり見て考えるようになった。
 つぎに、写真と文を比べて読み、本文を視写した。音読や視写の学習の中で、問いと答えの基本文型を確かめたり、クイズ仕立てになっていることに気づいたりした。
 また、毎回授業のはじめには、他の虫の写真を使って、教師による「どこにかくれているのでしょうクイズ」をした。このような活動を楽しむことで、子どもたちは自分たちもクイズをしてみたいという思いを持つようになった。

第2次
 児童それぞれに写真を用意し、本教材の文型を用いてクイズ作りをした。最初に、写真を見てその虫の特徴やかくれ方を考えた。つぎに、相手に写真を見せながら虫の名前やかくれ方をヒントに口頭で出題した。出題するときは虫の立場になり、「わたしはどこにかくれているでしょう」という問いからはじめることにした。応答の中で、大きさや色、形などをより具体的に説明することができた。虫のかくれ方の特徴のほかに、虫が何匹かくれているか、写真のどのあたりに虫がいるのかなどについても、たくさんの言葉を使って話すことができた。写真の中の情報を読み取って、話す活動につなげることができた。
 次時には、本文の形式に従って、各自が虫についての説明的文章を書いてまとめた。この学習活動によって、写真をもとに自分の考えや意見を述べる力を身につける取り組みができたと思う。

第3次】  関連する図書を選んで読み、擬態するたくさんの虫について調べた。第2次で学習したことを生かし、自分たちが気に入った虫について説明する文を書いて本を作成することもできた。
 子どもたちにとっては、興味関心の高い説明文教材であり、意欲的に取り組めた。また、クイズ作りも、出題することを通して友だちとの関わりもでき、楽しみながら学習を進めることができた。
(高島市立青柳小)