全国学力状況調査を生かす
伊 庭 郁 夫

 学力調査をどう生かすか。その研修会を3学期に校内で持った。また、県教育センターの研修会で提案の機会を得た。
 この両者に共通する考えは、学力の根本的な部分を大事にするということである。
 NHKのプロフェッショナルという番組で、心に残る言葉があった。「才能とは努力を継続できる力」という将棋の羽生棋士の言葉である。この才能を学力と読み替えてはどうだろう。
 また、調査には学力以前の問題もありそうだ。問題に取り組もうとする意欲、集中力、問題に対する読解力などである。

 校内研修会では、まず6年生担任から、卒業までの取り組みの提案をお願いした。大切な「学習の構え」に関する取り組みでは、多くの学ぶべき点があった。
 まず、「諦めない。最後まで粘り強く取り組もうとする姿勢」を大事にする。
 また、「褒める」ことの重要性である。その日に褒められなかったら、次の日に褒める。「オール1の落ちこぼれ、教師になる」の著者宮本延春先生は、「一度でも褒めてもらうことがあれば良かった」と書かれている。
 更に、やらなくてはならないことは、やりきらせる点である。家庭学習も同様で、必ずやりきらせることを学んだ。

 ノート指導に関しても提案があった。必ず、ノートには「日付」「題名」「ページ」を書く。ノートには、どんな学習をしたのかを記録し、自分の考えの軌跡を残す。
 国語に関しては、相手に届く声を出す。すらすら読む。簡潔に話す訓練も大事にする。説明文では、問いと答え、事実と意見などの文章構造を理解させる。どの子どもにも司会の仕方を指導し、輪番で経験させる。司会の具体的な指導は、滋賀県検証改善委員会の「指導改善の手引き」を参考にする。

 「何のために学ぶのか」に関しても、先生方の考えを交流した。「できることを増やす喜び」「人生を豊かに生きる。学ぶことで、同じ景色でも、違って見えてくる」「よりよい人生を送るため。楽しい人生を過ごすため」といった学習することのプラス効果の考えが多かった。今は、生涯学習時代である。教師自身もずっと学び続けるのである。

 最後に、学級経営のポイントについて、全教員が自分の考えを述べた。「出会いを大切に」「聞く、聴く、訊くを大事に」「自尊感情を高める」「待ち、ゆとり」「笑いのパワー」「自立できる力」「思いやり」「向上心」「信頼関係」「判断力」「勤勉性」など、興味深い交流ができた。
(大津市立和邇小)