▼「どきどきする」「はっとする」という心の動きが好奇心や次の課題意識につながる。そんな経験を「さざなみ国語教室」の月例会でした。

▼その日の提案にあった1枚の写真が目についた。法被姿の男が御輿を担いでいる祭りの写真。この写真を使って授業ができるという勘のようなものが働いた。急遽、模擬授業に見立て、写真から思いつく「動くことば」を書く活動を提案した。時間は1分。

▼「あげる・さげる・かつぐ・だす・あつまる・きる・かける・まわる・たおす・かえる・にぎる・はこぶ・ぶつかる・はしる・ひっぱる・よろける・みあげる・かたむける・そろえる・せおう・あれる・ふむ・さけぶ」など80を超える言葉を出し合った。口頭で発表をしたので「かける」は「掛ける・駆ける」など漢字を使えば更に言葉が増えていく。「帯を巻く」「みこしを上げる・担ぐ」など主語を書くと意味がはっきりするなど語彙・語句に関係する学習活動へ話題が広がった。

▼写真をひとりで見ている時には思いつかなかった語彙・語句の気づき。なるほどと思う学習活動。短い時間だったが心が動いた。それが教材開発の意欲や好奇心の高まりの兆しを感じさせた。

▼良い授業をすると、子どもの心が動く。それが、学習意欲に結びつく。月例会で改めて「心が動く」を確認した。(吉永幸司)