文章と絵とのつながりを考えて
池 嵜 繁 伸

 2年生の教材文に「一本の木」(光村・下)という説明文がある。「一本の木」のかき方を文章と挿絵を用いて説明し、自然にある木を見る視点についても挿絵とともに提示している。

 本単元では、大きく3つのことを大切にして学習を進めていった。
 1つ目は、教材文の説明の順序(事柄の順序)に従って「一本の木」をかく活動を通して、まず・つぎに・そのつぎに等の説明の仕方を文章から学ばせること。
 2つ目は、本文の説明と挿絵の木を照合させる活動を通して、情報を関係づけながらキーワードを読み取る力とともに情報活用能力の基礎を育てること。
 3つ目は、本文の読み取りの学習をもとに、内容を選んで説明文を書くことで、読むことと書くことの関連を図る。
 この3つのねらいを意識し相互に関連づけながら、ワークシートや学習活動を工夫して指導を行った。

 まず、教材文の説明に従って「一本の木」をかく学習場面では、順序を表す言葉(まず・つぎに・そのつぎに・同じようにして)に続く文を視写し、その下に絵をかくことのできるスペースを設けたワークシートを作成した。順序を表す言葉を赤鉛筆で囲ませ、1文リレー読みでは、順序を表す言葉のところを全員で声を合わせて読むようにする等、常に意識させ日常生活で活用できるようにしたい。

 つぎに、本文の説明と挿絵の木を照合させる学習場面では、さまざまな形をした木を説明している本文の下に挿絵のコピーを貼り付けられるワークシートを用いた。本文よりも挿絵の種類を多くし順序をバラバラにしたことで、より確かに読み取り、それを説明しようとする意識が高まった。説明の際には、挿絵に直接印を付けたりキーワードを書き込ませたりした。この読みをたしかめ合う活動が言語情報の処理・活用という観点からも大切であると考える。

 最後に、本文の読み取りの学習をもとに説明文を書く学習では、次の3つの題材の中から各自に一つを選択させた。「ひまわりのかき方」「カンうまの作り方」「目玉やきの作り方」である。準備物や順序を表す絵を予め描き込んだワークシートをそれぞれ用意し、絵に応じた文章を書かせた。説明文を書く活動は1時間のみで、よい表現を交流し合うことにもう1時間つかった。

 どの子も順序を表す言葉をつかうことができ、「しょうかいします」「してみましょう」「これでできあがりです」等の本文で学習した言葉を活用している子や「かんたんなので、ぜひ作ってみてください」等の相手を意識した言葉を添えることができた子もいた。
(彦根市立平田小)