友達の話に「つなげて」話すために
岡 嶋 大 輔

 2年生の教室。一斉の場で友達の話につなげて自分の思いや考えを話していくための前段階として、3人組で聞き合うという活動を授業の中に取り入れている。
 教室の机は、いつでも横1列で3人組にできるように配置している。真ん中の子どもが少し椅子を下げるだけで「聞き合い」の空間が生まれる。

 今のところ、3人の内1人が話し手、2人が聞き手というようにしている。話し手は話題提供をし、それに対して聞き手は、詳しく聞き返したり、発言を促したり、付け加えたりしながら対話を進めていくのである。
 そして、「合図があるまで沈黙の時間を作らない」というルールを付け加えた。結構これが難しいのだが、3人組というチームで協力するということもあってか、その困難さが逆に「やってやるぞ!」という意欲につながっているようである。

 具体的には、次のように対話が進んでいく。
 教師が提示したテーマは「好きな季節」。設定した時間は3分間である。
C1 僕の好きな季節は、春です。春には桜の花が咲いて、満開の桜の木の下でお花見をするのが好きだからです。
C2 今年は、どこでお花見をしたの。
C1 今年は、膳所公園でお花見をしたよ。
C3 膳所公園へは、誰と行ったの。
C1 家族と、それから、草津から来ていたおじいちゃんとおばあちゃんです。
C2 おじいちゃんやおばあちゃんとは、よく膳所公園に行くの。
と話をつなげていく。1回目が終わり、同様に3回目まで繰り返すと全員が一通りこの活動を終えたことになる。

 予想した以上に子どもは「もっと話がしたい。」「次が楽しみ。」というように楽しく期待を持って進められた。
 この活動で、話し手は、他の二人の質問をよく聞いて適切に答える力が鍛えられ、聞き手は、話し手が話す内容のどの部分を広げたり詳しくしたいかと考えながら聞く力が鍛えられる。この活動を繰り返すことによって、相手を意識して対話を進めていくことができるであろう。

 今後としては、
「課題に対して3人でよりたくさんの考えを挙げる」
「課題に対して3人でひとつの結論を導き出す」
というように対話の中身を変えていき、さらに「一斉の場」においても生きてくるような活動にしていきたい。
(滋賀大学教育学部附属小)