ニュース番組 〜運動会でがんばりたいこと〜
蜂 屋 正 雄

 夏の研究会で公開授業を参観した中村正則先生(山口県光市教育委員会指導主事)の授業を参考に単元を組み立てた。
 教材は「ニュース番組を作ろう」(東書6年)。ペアでインタビューをしあい、友達の運動会への思いや意気込みを「運動会ニュース」という形でニュース番組にした。

 子どもたちは、相互の取材を通して、
1 お互いのことをよりよく知る。
 「どうしてその種目をがんばりたいのかな」「そうだったのか」など、学習活動を通して相手のことをよりよく知った。
2 インタビューの仕方を工夫・改善する。
 いざ原稿を書こうとすると、情報が不足しておりもう一度取材することとなり、だんだんとインタビューの仕方や聞く内容が的確になっていった。
3 相手の上手なインタビューの仕方をまねる。
 インタビューをしあう中で、「どのようなことに注意したらできるようになったのですか」「運動会の目標はズバリ何ですか」など、ニュース原稿にできるようにインタビューの仕方を改善している様子が見られた。
4 相手の思いを自分の思いと比べる。
 「僕と同じところで苦労しているんだな」「○○さんは100m走にかけているのか」
5 自分の思いを投影しながら、相手の思いを発表する。
 「組体操の3人技では、指先までしっかり伸ばしてがんばってほしいと思います」
といった成果や活動の様子を見ることができた。そして何より、取材をしあい、ニュース番組をつくりあう中で、「自分の言いたいことを言ってくれてうれしかったです。ありがとう」「言いたいことを聞いてもらえた」といった、自分の思いを知ってもらえた喜びや、共感された心地よさを感じることができたように思う。

 ニュース番組はDVDにして、運動会前日に教育実習に来ていた先生へ送り、「運動会の見どころ」として、招待もかねて渡すことができた。

 また、大分先の目標になるが、4、5といった学習を通じて、自分の思いと相手の思いを比べ、投影をしていく中で、1人称・2人称を越えて、客観的なものの見方、考え方にも意識を向けていきたいとも考える。また、このようにお互いの思いや考えを聞きあったり読みあったりする中で、自分の考え、相手の考えを知り、調整しあう中で客観的、普遍的な価値へと思いをつなげていけたらと思う。
(草津市立笠縫東小)