▼「遠くの人に近況を知らせるには手紙がいいか、電話がいいか」について討論をする授業のひとこま。「電話だと、声が気持ちを届けるのでよい」という意見がでた。手紙を主張する子が、「電話が壊れていたらどうするのですか」と質問をした。「携帯電話があるかいらいい」 「電話番号を忘れたら…」というように話が広がっていった。互いに活発に意見を交わしあっているように見えた。

▼「声が気持ちを届ける」という意見に対する質問や反論は「電話が壊れたら」ということではない。「声が気持ちを届ける」という内容に対して「声はその時々の気持ちを表すのでよい考えだと思います。しかし、相手が忙しいときは、ゆっくり話せない時もある」と一度は、相手の意見を受け入れ、反論に転ずるという方法もあるということを指導するのが授業であろう。

▼「学級文庫の本を返す時、乱暴な返し方をする人がいるので気をつけて下さい」と係からのお願いの放送があった。このお願いが徹底しないのは「乱暴な返し方」の意味が聞き手に分からないからである。「図書係が困っていることの中で、乱暴な返し方とはどういうことでですか」というような質問が出せるような子どもにしたい。

▼相手の考えを肯定し、更に相手を高める意見が言えることを「コメント力」と位置づけてみたい。(吉永幸司)