たまには自分の授業をふり返ろう!
西 村 嘉 人

 毎日の授業に追われて、「これは!」と考えて行った授業についてすら、授業後の振り返りをしないままで終わってしまっている。今年の夏休みは、久しぶりに少し時間がとれたので、2つの授業記録を起こしてみた。1つは4月に行った「カレーライス」(光村6上)。もう1つは「生き物はつながりの中に」(光村6上)である。物語文教材と説明文教材。ともに、子どもの一人学習の後の読み取りの交流場面である。

 授業記録の全てを文字化した後、教師の発言だけを並べてみた。 (記録は、「生き物はつながりの中に」のもの)

T わたしなりに、この「生き物はつながりの中に」を読んできて分かったこと、分かってきたことの範囲は広いですから、どんなことでも遠慮せずに話してかまいません。(中略)できれば、友達の考えをつなげながら自分の考えを出せるといいですね。つなげられないときは、「話は変わりますが」と言って発言していきましょう。
T 発言のしかたは、リレー指名でいきます。
T もう少し、具体的に書いてあることを例に挙げて分かったことを話していきましょう。
T 考えをまとめて話そうとしないで、もっと具体的に細かなことで分かったことを話していっていいんだよ。
T どんな違いがあるの?
T どうしたの?まだまだ話せることが学習ノートにあるでしょう。
T せっかくひとり勉強してきて分かったと感じたことがたくさんあるんだから、話題が飛んだりもどったりしてもいいから話を出しましょう。(後略)
T 一旦ここでストップしようか。昨日の授業の後半で、文章のなかでくり返し出てくることばがあるなあって気付いた人がいるでしょう。(中略)黒板を見ながら、何度も繰り返し出てきたことばをさがしてみて。
T もう少し絞ろうか。くり返し出てきたことばのなかで、この文章で一番大事な言葉って何か言えるかな。確かな自分の理由も付け加えて話してみよう。

 もう少しあるのだが、1時間の授業の中で13、4回の発言しかしていない。しかも、発言を促す助言が多くて、課題追究につながる発言が極めて少ないことに気づく。授業中は、子どもの話をひたすら聞いて板書し、子どもの読みの課題を指摘していこうと考えていたのだが…。振り返ってみて冷や汗が出た。まだまだ、授業修行が足らないことを思い知った。
(彦根市立城南小)