「さあ、六年生!」決意の漢字でスピーチをしよう
西 村 嘉 人

「今年の国語の授業はスピーチからです。先ず、見本のスピーチをします。」 
と子どもたちに話してから、見本のスピーチを行った。わたしが選んだ決意の漢字は「熱」である。説明に「熱血」「情熱」の言葉を入れながら「熱く熱くこの1年を過ごしていきたい」としめくくった。

 続いて、子どもたちに見つけたスピーチの約束事を発表させながら、スピーチの要領を説明した。
 ○1年間のテーマにしたい漢字を言う。
 ○その漢字にした理由を話す。
 ○漢字に込めた自分の1年間の決意を話す。

 残った時間で自分のテーマにしたい漢字を選び、スピーチの内容を考えさせた。今回はスピーチ原稿を書くか、メモだけで話すかは自由にした。
 次時(身体測定の関係で1−2時間)を練習時間に充てた。
 後は実際のスピーチである。

 ぼくが、今年1年間のテーマに選んだ漢字は「先」という漢字です。これは、言われる前に、先に何でもするという決意から決めた漢字です。
 5年生の時は、先生にいつも「整理整頓しろ」とか、「姿勢をちゃんとしろ」とか、言われてからやっていた。今年は6年生になったので、5年生の時みたいに言われてからやるのではなくて、自分が整理整頓をしなきゃいけないと思ったときにはすぐにやって、遊びに行く前も机の上をきれいにしてから、外にいくようにしたいと思っています。姿勢も自分でちゃんと意識してきれいな姿勢で勉強をしたと思っています。

 この子どもは、スピーチの内容の通り、昨年ずっと持ち物の整理整頓を言い続けてきた子どもである。一向に改善されない様子に話はしっかり伝わっていないかと案じていたのだが、彼なりにずっと気にしていたことがこのスピーチ分かり、「去年は言い過ぎてゴメンな」と思わずスピーチの後で話しかけに行ったぐらいである。

 30人の子どもたちがテーマに掲げた漢字は、「挑」「楽」「笑」「勉」「競」「責」「協」「思」など様々であるが、1人1人のスピーチに思わず耳を傾けたくなる素晴らしい内容であった。
「今日はみんなの話を聞いた。みんな1人1人が自分の目標に向かってやろうとしているから、その人達に負けないようにしたい。」
 スピーチを聞いた時間の学習感想である。聞き手も育った1時間であったと感じている。
(彦根市立城南小)