グループ討論会を開こう 〜意見を整理しながら〜
西 村 嘉 人

 3学期の国語の学習は「『失敗』をめぐって」(光村5年下)からである。
 5年生になってからの「話すこと・聞くこと」の学習では、今までになかった「グループ討論会」である。小グループで、各自の「失敗談」を出し合いながら、「失敗の原因」を見つけ、どのようなことに注意すれば「失敗を防ぐ」ことができるかを話し合う学習である。

 学習は、教科書の教材文を手がかりに、
 ○各自が自分の失敗経験を学習ノートに書き挙げる。
 ○失敗経験の主な原因やどうすれば失敗を防ぐことができたかを考え、学習ノートに整理する。
の順番で各自の考えを学習ノートに書き出してから、話し合いを始めることとした。

 グループ討論会の進め方は、
 (1) 代表グループが、学級全員の前で討論会を開き、討論会の進め方について、学級全体で学習する。
 (2) ペアグループを決め、お互いのグループ討論会を評価し合いながら、学習を進める。
という形をとった。

 さて、代表グループの討論会である。普段のグループでの話し合いとは比べものにならない緊張感の中で討論会を始めた。司会も子どもである。
(司) 始めに、一人ずつ、自分の失敗経験を話してください。
(A) わたしは、お母さんに洗濯物をたたんでおいてとたのまれたのに、遊んでいてたたむのをわすれてしまいました。
(B) ぼくは、友達とゲームをして遊んでいて、負け続けて腹が立ってしまって、けんかをしてしまったことがあります。
 (中略)
(司) それでは、Aさんの失敗について、どうすれば失敗を防ぐことができたか、意見を言ってください。
(C) Aさんが言っていた失敗は、たのまれたときにすぐやっておけば防げたと思います。
(A) でも、遊んでいる途中だったから、後でやろうと思ったのです。
(B) 友達に待ってもらってやれば、すぐに終わることだと思うんだけど、どうですか。
 (以下省略)

 この話し合いをもとに、討論会の進め方を学習していった。子どもたちからは、
「『司会』だけでなく、他のメンバーも話し合いの流れをしっかり分かって、何を話せばよいのかを考えることが大事。」
という意見が多く出た。
 緊張感の中で行う「グループ討論会」の効果があったなと感じた瞬間であった。
(彦根市立城南小)