お話を楽しむ(1) 「スーホの白い馬」(2年)
吉 永 幸 司
1.お話を楽しむ 指導の目標は「どんなお話かに注意をしながら聞く」にした。「聞く」にしたのは1時間で指導を完結するため。「どんなお話かに注意をしながら」には次の2つのことを織り込んだ。(活動は絵本でなく教科書を用いた) (1) 物語の様子をイメージしながら聞くこと。 (2) 次は、どのような展開になるのかを予想しながら聞くこと。 指導の方法では、キーワードになる語句の説明と山場になる場面で展開を予想させた。 2.冒頭場面を丁寧に読む お話は「中国の北の方、モンゴルには、広い草原が広がっています」から始まる。 中国、モンゴル、広い、草原の一つ一つに解説を加えた。特に「広い草原」が「広がっています」に立ち止まり「続く」と「広がる」を比べさせた。 続いて、そこに住む人たちの「くらし」を予想させた。「草原」「広がる」を手がかりにして、今の自分たちの暮らしと違うということはだれにも容易に考えることができたが、具体的には名前が挙げられないので、「ひつじや牛や馬などをかってくらしていました」と続けて読み聞かせた。 次に「馬頭琴」をイメージをさせるために「馬」を想像させた。これが楽器であるということまで導いた。 少し時間をかけたが最初の5行を丁寧に考えさせることで展開部へ広げていった。 3.語句に立ち止まる 最初は人物の様子の叙述をしっかりと聞かせることに力を注いだ。「まずしいひつじかい・年とったおばあさん・ふたりきり」等。見逃しそうであるが、これからの内容につながる。 「スーホのことがたくさん出てきますから、どんな少年であるのかをしっかり聞きなさい。」 と指示をし、「よく働く・おばあさんをたすける・歌がうまい・美しい声」に着目をさせた。 4.出来事の内容を予想させる 場面の展開は「ある日のことでした」から始まる。 「これから、できごとがおこるのだよ。」 と、つぶやく子がいた。その発言を取り上げ、 「よく聞いていたね。どこで気がついたの。」 と尋ねる。得意そうに、 「あるばんのことだよ。お話はこんな言い方が多い。」 キーワードを捉えた発言であった。 (京都女子大学)
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