調べたことを伝える学習
三 上 昌 男
3年生の作文学習。「八幡のいいところ」について、本などの資料で調べたり人に尋ねたりして、わかったことをまとめて書く学習である。 これまでの学習や生活経験から、個々の子どもが感じている「八幡のいいところ」を引き出すことを学習の導入とした。 社会科の校区学習や総合的な学習の時間での取り組みで、八幡の町や産業に関する子どもたちの知識が増えつつある。「八幡のいいところ」として子どもたちの発言をもとに整理した。 *場所や建物(八幡山・八幡神社・八幡堀・図書館・資料館・八幡公園・かわらミュージアム・白雲館など) *食べ物(赤こんにゃく・丁稚ようかん・丁字麩・近江牛・鮒ずし) *工芸品(数珠・竹細工・八幡靴・八幡瓦・よし製品) *祭り(左義長祭り・たいこ祭り・てんびん祭り) 調べたいことがはっきり決められた子どもは、そのことについての取材活動を始めることができる。何をどのように調べるか、調べる目的と方法を意識して、書く必要のある事柄を収集できるように導くことが大事である。また、取材ノートやインタビューカードを工夫することで、見通しを持って取材活動に取り組めるように支援したい。 今回は、総合的な学習で調べたことを生かしながら、文章をまとめることに取り組んだ。取材活動が充実したこともあり、書く事柄を整理したり、選んだりすることができた。
「八幡のいいところ」という言葉から、子どもの発想を引き出すことがポイントとなる。今回は総合的な学習の時間と関連づけたので、名物を取り上げる子が多かったが、発想の広がりを支援する構えや準備が指導者には求められる。また、取材の目的や内容、方法などを具体化することで、子どもに見通しを持たせたい。書く必要のある事柄を収集し、選択する力は、書く目的に即して発揮されるものである。 (近江八幡市立八幡小)
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