ビデオレターを作ろう
伊 庭 郁 夫

 大津市内の2つの学校に「ビデオレター」を送ることにした。
 3年生の「お気に入りの場所」の授業である。和邇小学校のお気に入りの場所を選び、各班でレポートをする。
 特に、力を入れたのは次の3点である。
 ○相手を意識して話すこと。
 ○できる限り覚えて話すこと。
 ○インタビューを入れること。

 第一の「相手を意識する」とは、冒頭に代表委員が「○○小学校のみなさん、こんにちは。私たちは、和邇小学校の3年生です」を入れ、学級全体の様子を撮る。各班で「みなさんの学校では、屋上からどんなものが見えますか」「みなさんの学校では、運動場でどんなことをして遊んでいますか」のような問いかけを入れる。撮影時間は、遊んでいる様子を撮るために始業前や休み時間も利用した。相手に様子を理解してもらうためである。そして、最後も「お返事待ってます」のように相手を意識するのである。

 第二の「覚えて」というのは、この学習活動が台本を作って読むものになっては意味がないからである。そのために各班で練習を繰り返す。また、撮影前にもう一度確認をする。班によっては、短く区切って録画することもある。子どもたちからは「早く撮って」という声が聞かれた。屋上に上がると、蓬莱山の頂上まできれいに見えたり、湖西線を特急が通過することがあった。その時には、即興で話を組み立ててレポートする。

 第三の「インタビューを入れる」というのは「聞く・話す」の学習を意識してのものである。各班が2か所をレポートするので、どちらか片方はインタビューを入れることにした。インタビューの相手は、子どもは勿論、校長先生や読み聞かせのボランティアの方にもお願いした。ボランティアの方とのインタビューでは「じゃあ、私から聞かせて。どんな本が好きなの」のように、その場で逆にインタビューされる場面もあった。

 できあがったビデオレターを見ることにした。自分たちが工夫したことや、他の班の良いところを評価しながら見た。
 「インタビューしてもいいか聞いていた」「すごく聞き取りやすい」「実際にパソコンで絵を描き、伝わるように言えていた」「紙芝居をうつしていた」など、他の班の工夫に気づくことができた。
 話すのが苦手な児童の「インタビューするのが緊張したけど、練習してうまくなってよかった」という感想が印象的であった。
 いよいよ3クラスで取り組んだビデオレターを送る段階が近づいてきた。
(大津市立和邇小)