交流を大切にした学習
海 東 貴 利

 自分が読み取ったことや感じたことを他と交流する中で、さらに新しい発見や気づきなどが生まれるような学習をしたいと思う。
 そこで、『千年の釘にいどむ』 (光村5年上)では、次のような学習計画を立てた。
(1) 範読を聞き、初発の感想を書く。また、みんなで話し合ってみたいこと(話し合いのテーマ)を考え、ノートに書く。
(2) 意味調べ、音読練習、学習計画を確かめる。
(3) 話し合いたいことを出し合う。話し合いたいことにそって、教材を読む。
(4) 話し合いのテーマについての自分の考えや感想などをノートにまとめる。
(5) 感想を話し合う。話し合いのあと、深まった自分の考えをノートにまとめる。

 今回の学習では、話し合ってみたいことを考えるところから、筆が進まなかった。何について話し合いたいかを出し合うことは難しかったので、教師の側からある程度テーマを絞って提示した。
 テーマにしたことは、古代の釘のすばらしさについて、古代の職人のすばらしさについて、白鷹さんの生き方に学んだことや感動したことなどである。感想を話し合うために、前もって一人一人が自分の考えを持つことが大切であることを確かめ、学習をすすめた。

 感想を話し合う学習では、ノートにまとめたことをもとに自分の考えを発表し合った。この時間のめあては友だちと感想を伝え合い自分の考えを深めることである。話し合いのあとに自分の考えの深まりを振り返ることも大切である。話し合いの中やあとで、深まった自分の考えやそのきっかけとなった友だちの考えなどをノートにメモをしていくようにさせた。
 子どものメモには、
 ○○さん=自分の考えと似ている。千年前の職人と戦っているんだというところ。(が同じ考え)
 ○○君=自分の仕事へのほこりという言葉が気になった。

 話し合いのあとの深まった自分の考えを中心に感想を書く時間は、@初めの考え、Aきっかけとなった友だちの考え、B深まった自分の考え、という構成で書くことにした。友だちの考えをよく聞いて、さらにもう一度自分の考えをまとめる学習であったので、しっかり聞かなくてはならないという学習規律についての意識も高まった。また、テーマに沿ってあとで交流するという学習課題を提示したことで、目的的に読むという意識付けはできたと思う。
(高島市立青柳小)