書くために語彙を広げる
海 東 貴 利

 豊かな表現の文章を書くために、語彙を増やす学習をした。
 学習の概要は以下の通り。学習計画の際には、『実践国語研究』272号の「語彙指導」(佐藤きむ)を参考にした。

(1) 教科書の中から、好きな言葉、新しく覚えた言葉、使ってみたい言葉、調べてみたい言葉、心に残った言葉など、興味のある言葉を1人4つ選び、ワークシートに記入する。ワークシートには語句、教材名、○ページ○行目(語句の出ているところを1文程度書く)辞典で調べた意味、感想、使い方、その言葉を選んだわけなど書く。

(2) 全員のワークシートを印刷し、表紙をつけて綴じ「辞典」を作った。配付された「辞典」の言葉を見て「同じや」とか「これもいいな」という声が上がった。

(3) グループ(4人)の選んだ言葉の中から1つを選び、それと関連のある言葉を「辞典」からできるだけたくさん見つけ、仲間分けをする。名詞や動詞など品詞による分け方や言葉から連想できるイメージによる分け方などを示した。

(4) グループで見つけた関連のある言葉を画用紙に書き、どういうつながりで分けたのか、クラス全体へクイズを出す。
○「永遠」に関連のある言葉
 「将来 いっとき みるみる ひと続き 夢中」…つながりは「時間がたつことに関連のある言葉」の仲間 
○「微妙」に関連のある言葉
 「うたがい ぼんやり 不思議やたらに とりとめなく」…つながりは「はっきりしていない意味の言葉」の仲間
○「たおやか」に関連のある言葉
 「光 照り返し 一生懸命 感謝生きがい」…つながりはあたたかいイメージの言葉

(5) 各自が選んだ関連のある言葉の集まり(仲間分けされた言葉)をすべて使って短作文を書く。グループの中で書いた文章を読み合い、適切に言葉が使われているかどうかなどについて話し合う。よくできた作文を全体に紹介した。
○「光、照り返し、一生懸命、感謝、いきがい」を選んだ子の作文
 「光が照り返す暑い夏に感謝しながら、生きがいのスポーツを一生懸命にする。」

 指導を振り返ってみると、(1)の教科書から言葉を選び出すところで、選ぶ視点や根拠などを明確にして指示をしなくてはいけなかったと思う。また、選んだ言葉の意味をみんなで吟味するような学習も必要であり、課題が残った。
(高島市立青柳小)