3年・国語開き
蜂 屋 正 雄

 今年は3年生の担任となり、パワーある子とどもたちと出会った。
 国語開きは、「すいせんのラッパ」(工藤直子・東書3上)で音読の学習をした。

 はじめに全員で教師の追い読みをしてみたところ、元気な男の子の声に引っ張られるようにして、とても元気な声で音読できた。失敗やミスを恐れない3年生の頼もしさとともに、これからの学習が楽しみなった。
 この単元では、「場面の様子を想像したり、声の大きさや高さに気をつけて読み方を工夫しよう」ということをめあてに学習に臨んだ。学習は、@内容理解、A音読の工夫、B発表会という流れで計画した。

 まずは、言葉のリズムが楽しめるところに注目させたいと考え、子どもたちには「ありさんが待ちきれないものって何?」と問いかけ、「やった、今年も見られた、聞けた」というところを色鉛筆で囲むように指示しながら、内容を深めていった。子どもたちはラッパの音、かえるが出てくる時の様子、起きたかえるの言葉や林へ跳んでいく時の言葉などを線で囲み、「ここにも引いたよ」「ここはかえるさんのセリフだから引かなかった」などと意見を出し合いながら楽しんで読みを深めていった。

 線が引けたら、次に「じゃあ、様子がわかるように読むには、どんな工夫をしたらいいかな」と子どもに問いかけた。その結果、
 @声の大きさ(大きく、小さく)
 A読む速さ(速く、ゆっくり)
 B間(まをあけて)
に注目することにした。1文ずつ読みながら、みんなで教科書に赤鉛筆で工夫するところを書き込んでいった。
「『うん、今だ!』のところは、小さな声ではやく、間をあけて読んだらいいと思います。」
「いや、『金色のラッパをふきならします』のところはやっぱりふつうに読んだ方がいいと思います。」
などと、意見を出し合いながら読みの工夫を教科書に書き込んでいった。
 みんなで読んでみると、はじめは個々にしていた読みの工夫がみんなの工夫となり、一斉読みでも工夫のわかる音読に変わっていった。

 「グローブみたいなかえる」「みどり色のリボンのようなかえる」「豆つぶみたいなかえる」と繰り返すうちに、音読が得意でなく、黒板を写すだけだった子どもも、安心して線を引いたり、読みの工夫を書き込んだりする姿があり、教師としてもうれしい変化だった。子どもたちも、みんなで意見を出し合った結果、上手に音読をすることができるようになった楽しさを感じていたように思う。
(草津市立笠縫東小)