ど の 教 室 で も
杉 澤 周 一

 基礎・基本の力を身につけさせようという意識をもつと、するべき指導、する方が良い指導を念頭に置くようになる。
 2年で、言葉や文を意味のまとまりでとらえ読むことの力をつけさせようと次のような指導をしている。学習指導要領1、2年の読むことの内容の「語や文としてのまとまりや内容、響きなどについて考えながら声に出して読むこと」に当たる。

 説明文「どんぐりとどうぶつたち」(大書)で読むことの指導での事例。まず導入時の音読で。
T 一つの言葉を途中で切らないで一気に読もう。それができれば「、」「。」までを一気に読めるようになろう。
 言葉や文のまとまりがわかり、その意味がわかり、すらすらと読めるようになろうとを話し、教師の範読の後、同じように一斉に音読をさせた。 
T 「み、ず、な、ら」というのは、木の名前ですね。教科書に絵がありますから見ましょう。「みずなら」は、一つのの言葉だから「みずな、ら」と読むのではなく、「みずなら」と切らずに読みましょう。「みずなら」に「の木」がが付いて一つのまとまりですから続けて読んだ方がいいですね。では、先生の後に続いて読んでみましょう。
T みずならの木が、
C みずならの木が、
T このように一つのまとまりは、途中で切らずに一気に読めるようになるといいですね。
T 夏の     C 夏の
T 北海道。   C 北海道。
T みずならの木が、   C みずならの…
T 空に向かって、   C 空に…
T えだやはを   C えだや…
T 大きく広げています。   C 大きく…
    ↓ (徐々に)
T 夏の北海道。   C 夏の…
T みずならの木が、   C みずならの…
T 空に向かって、   C 空に…
T えだやはを大きく広げています。   C えだや…

 毎時間、これを繰り返した。単元の導入段階では、短めにゆっくり、意味を確かめながら。様子を窺いながら徐々に長く速く。終末段階では、一斉の後、個々に自分の速さで読ませた。声が弾む。やがて、すらすら読めるように変容していった。
 視写や聴写も同じように言葉や文を意味のまとまりで書かせる。
 実は、新しい指導ではなく昔から“するべき指導”として当然の如くに実践されてきたかもしれない。他にもこの類はあるだろう。ならば、どの教師もそれらを承知していて、どの学校のどの学級でも継続的に着実に実践されているのだろうか。
(能登川町立能登川西小)