効果的に伝えるために 〜新聞記事と放送ニュースとの比較から
川 那 部 隆 徳

 教材文「ニュース番組作りの現場から」(光村5年)を読んで、ニュース番組がどのような手順で作成されるかを読み取り、それに基づいて、身近な話題を取材し、新聞や放送ニュースに表し発信する学習を行った。
 集めた材料を活用し、新聞記事や放送原稿に表すのに先だって、同一内容を報道をする新聞記事と放送ニュースとを比較した。

T 同じ内容のニュースを伝える新聞記事と放送ニュースとを比べて、違いや似ているところを考えよう。
C 新聞は、何度も読み直せるけれど、放送ニュースは、一回きりで次に進んでいくから、新聞の方が分かりやすいと思う。
C 放送は、映像があるから、リアルで分かりやすいと思う。
C 放送は、映像に力があって、言葉にしなくても映像を見ればわかる。
C 新聞は文字に力があって、読んでわかるように書いているのじゃないかな。
T 読むと視るの違いだね。
C 新聞は、見出しがあって、前書き、そして詳しい内容が書いてあって分かりやすいと思う。
T 前書きのところを前文(リード)といいます。
C 放送の方にも、前書きのようなところがあって、その後に詳しい内容があるから、新聞と同じだと思う。
C でも、新聞の方は、「ズバッ」と書いている。
T どういうことかな。
C 最初に、伝えたいことがはっきり書いてあって、放送の方は、二人の掛け合いで、話が進んでいて、だんだん言いたいことがわかってくる。
C それは、語尾が、新聞記事は「○○だ」「□□である」となっているからそんな印象を受けるのだと思う。
C 新聞は、大人向けに書いているので、「○○だ」「□□である」というように書いているけれども、放送ニュースは、大人以外にも子どもたちも見ている可能性があるから丁寧な言葉をつかっている。
T (小学生新聞を示す。)
C 「〜だね」とか「〜だよ」とか書いてある。
T なるほど、伝える相手によって書き方が変わってくるということだね。  (後略)

 情報を確かに、より効果的に伝えるために、文字言語と音声言語を活用するメディアの特性や違いに気付き、メディアに応じた伝え方を考えることができた。これが、大事にすべき国語科におけるニュースづくりの学習であろう。
(滋賀大学教育学部附属小)