話し合いを活性化するために
海 東 貴 利

 学習の中で話し合いをする場面は多くある。学級活動などでは、話し合いの流れを示しながら、みんなで意見を出し合って進めていけるようにしてきた。しかし、積極的に発言する子が決まっていたり、お互いの意見を交流するための指導が不十分であったりするところがあった。

 発言できないでいる子どもたちは、話し合いの必要性は理解しているが、「話し合うときに自分の考えが見つからない」「発言したいことがあっても、どのように話したらよいかがわからない」と、話し合いに参加することには苦手意識を強く持っている。

 そんな、苦手意識を克服していくために、まず、子ども一人ひとりに自分の考えを持たせたいと思った。そのためには、子どもたちに「話し合わなければならない」「話し合いたい」と感じさせる、必然性のある目的を持たせなければならない。そして、一人ひとりが自分の考えを持ち、学級の他の子どもたちとの交流を通して、学習により深く入り込んでいけるようにしたいと思った。

 「きつねの窓」(教出6年)の学習では、本文をしっかり読み込んで、「わたしは、こう言いたい、こう伝えたい」という思いを一人ひとりにしっかり持たせるため、学習の前半に一人学習に取り組んだ。一人学習に時間をかけて指導したことにより、いつもは発表することに対して消極的だが、学習感想に、「最後の交流で、このこと(これまでの学習でまとめた自分の考え)を言うつもりです」と書く子もいた。話し合いたいという強い意欲の高まりを感じた。

 話し合いの場で子どもたちがそれぞれどんなことを話そうとしているのか、一人学習のノートをもとに事前に確かめた。誰から話し合いをはじめるのか、どのように話し合いを組み立てるのか、最後の交流の前に、授業の構想を練っておいた。

 交流の時、子どもたちは一人学習でため込んできた自分の考えを発表し合った。みんなの発表の内容をよく聞き、自身の考えを話すことができた。自分の考えとどこが似ているのか、どこがどう違うのか、また、友だちの考えを聞いてこれまでの考え方が変わったことなどについても話し合えた。

 一方でより学習を深めるための課題も見えてきた。教師が子どもたちの発言を整理していくこと、板書をうまく活用すること、少し時間を取って要点をまとめることなど、教師の工夫が十分でなかったと反省した。

 子どもたちが学習の中でため込んできた学びの勢いを台無しにしないように、話し合いの場を大切にしたいと思う。
(高島市立青柳小)