説明文を読んで分かったことを書こう
岡 嶋 大 輔

 説明文を読んだときに、自分にとって「分かったこと」は何か、という視点で読み、読後に「この説明文を読んでこんなことが分かったのだな」という思いが持てるように本学習に取り組んだ。
 教材文「ありの行列」(光村三年上)を読み進めていった後、本文から分かることをノートに書き出すようにした。書き方の例としては、
「ありは、(     )」
「ありの行列は、(     )」
「ありの○○は、(     )」
という書き出しを提示した。今回は、ありやありの行列のことに絞り、ウイルソンを主語にした、ウイルソンのしたことや思ったことは入れないことにした。
 子どもからは、簡単なものから深く読めているものまでたくさんの「分かったこと」が出てきた。自分にとっての「分かったこと」であるし、本文を見てすぐ分かるものもあるので、間違いはなく、どの子も書きやすかったのであろう。

・ありは、行列を作る。
・ありの行列は、夏になると、庭のすみなどでよく見かけられる。
・ありは、ものがよく見えない。
・ありの行列は、はじめのありが巣に帰るときに通った道すじから、外れていない。
・ありの行列は、えさがなくなるまでつづく。
・ありの行列は、さえぎられても、またできる。
・ありの行列は、行きも帰りも道すじがかわらない。
・ありの行列は、ありがにおいをつけながら歩いてできる。
・ありは、おしりの所からとくべつなにおいのあるじょうはつしやすいえきを出す。
・ありは、しゅるいによってちがうにおいのえきを出す。
・ありは、ちがうありの道しるべが交わっていても、まようことがない。
・ありの行列は、においをたどって、えさの所へ行ったり、巣に帰ったりするのでできる。
等、出てきたものをまとめて印刷したものを配布した。

 その中から、一番大事だと思うものをそれぞれが選ぶようにした。選んだものと、それを選んだ理由を発表し合った後、再び一番大事だと思うものを選ぶようにした。
「ありは、ものがよく見えません。それなのに、なぜ、ありの行列ができるのでしょうか」という問いに答えているという理由で「ありの行列は、においをたどって、えさの所へ行ったり、巣に帰ったりするのでできる」を選んだ子どもが多かった。
(滋賀大学教育学部附属小)