本棚  『語い力』を育てる指導法のアイデア
吉永幸司・さざなみ国語教室 編著 BK1
小学館 教育技術MOOK 2004.4 1524円
『語い力』を育てる指導法のアイデア

 子どもたち(あるいは、若者)の語彙の貧しさがよく指摘される。しかし、国語力の基礎、土台であるはずの語彙の指導が、日頃の教室で十分に意識されていないのも事実である。

 なぜ語彙の指導が大切なのか、「まえがき」に次の5点が掲げられている。
(1) 表現力を育てようとするとき、子どもたちの言葉が豊かでないので、自分の思いをしっかり伝えることができない。
(2) 読むことの学習で、語彙に着目し表現を楽しむ力が育てば、子どもたちの想像力は豊かになり、深く味わい、考える力が育つ。
(3) 使い慣れた言葉で満足せず、語彙を広げることが、日本語の豊かさを実感することになる。
(4) 漢字・文法・語彙など言語事項は国語の基礎基本につながる。指導法を工夫することによって、子どもに確実な力をつけることができる。
(5) 自ら進んで言葉に関わる子どもであってほしいが、指導に工夫がないため、子どもの意欲を減退させている。

 指導のポイントや展開例、ワークシートも掲載されているので、すぐに授業で使える。教室での実践を通したアイデアなので、どれも楽しく、子どもたちにわかりやすい。(常諾真教)