えっ、インタビューって質問と違うの?
西 村 嘉 人

「インタビューをしよう!」と板書した後、どの程度の理解をしているかを尋ねてみた。
「人に質問すること。」
「聞いてみたいことを相手の人に聞くこと。」
子どもたちは、「何を今さら聞くの」という感じで答える。
「じゃあ、みんな知ってるみたいだから、西村先生を相手にインタビューにチャレンジしてみよう。」
と学習を進めることにした。

 まず、グループ毎に相談をしてインタビューしたいことを考え、内容を整理する。聞き手が決まったらすぐにインタビューを開始した。
 インタビューをする子どもと向き合って椅子に座り、インタビューを受ける形を作った。
「西村先生、これからインタビューをしますのでよろしくお願いします。」
「はい、こちらこそ、どうぞよろしく。」
「先生は、子どもの頃はどんな子どもでしたか。」 
「どんな子ども、というのは、どのような答え方をすればいいのですか。」 
「えーっと、よくけんかをしたとか、大人しかったとかです。」
「分かりました。どちらかというと大人しい子どもだったと思います。」
「ありがとうございました。」
「えっ、もう終わりですか。」
「はい。」

 全部のグループのインタビューが終わったら、録音したものを再生しながら、学習のふり返りをした。
 子どもたちが、インタビュー体験で気づいた問題点は、
 ●すぐに終わってしまう。
 ●どう答えたらいいか分からない質問の仕方が多い。
 ●自分の聞きたいことを聞くだけで、インタビューを聞いていて聞きにくい。
などである。ようやく「インタビューをしよう」の学習が始められる子どもの気づきが見えだした。

 次の時間、
「インタビューは、自分の聞きたいことを質問をするだけじゃなくて、インタビューする人と対話することなんだよ。」
と、説明を始めた。インタビューの学習で、「対話」の学習を進めたいと考えていたからである。
 「インタビュー」という言葉は知っていても、「質問」と単純に置き換えて理解していた子どもたち。こんなことが他にもいっぱいありそうな気がしてきた。今頃になってという感じである。やはり「学習は子どもから」である。
(彦根市立城南小)