▼「今日はお忙しいところおいで下さいましてありがとうございます」と体育館の前で受付をする子。履物はこの袋を使って下さい」とあらかじめ用意をした袋を手渡す子等、参観者を丁寧に迎える心遣いが伝わってくる「総合的な学習の時間の発表会」に出会った。参観をしたのは6年。4年生から「生ゴミリサイクル」に取り組んで確実に成果を挙げた自信が発表会に勢いをつけているようにも見えた。初めはミミズによる生ゴミ処理であったが、子供たちの知恵はEM菌による生ゴミ処理、段ボールによる生ゴミ処理へと広がっていった。

▼最初、受付の子は「どきどきする、緊張する」と弱気になっていたが、来校者が丁寧な言葉遣いに恐縮されるのをみて、自信をもって対応する姿に変わっていった。全体のプレゼンテーションで、あらかじめ予定していたせりふをど忘れした子は、予定をしていない言葉を見つけて説明を続けた。ゴミ処理に関心がある人から、専門的な質問を受けた子は、自分が答えられることとそうでないことを区別して、説明をしたり議論をしたりしていた。それぞれの場で一人ひとりが主役を意識した発表会であった。

▼とかく「ゆとり教育」の批判にさらされる「総合的な学習の時間」であるが、生きた場で自らの言葉がどのように働いているかを知る機会はここだと活躍する子ともたちをみて強く思った。(吉永幸司)