第16回「新しい国語の授業」研究会
西秋先生の実践に学ぶ(5年)
中 嶋 芳 弘

 第一提案、坂田小学校の西秋英子先生の「子どもが勢い込む国語科の授業作りの知恵」の一端を伝えたい。

 子どもはどの子も認められたい、ほめられたいと思っている。子どもが、がんばる気になるようにするにはその思いに応えてやることである。まず、「がんばりを認めていること」を見えるようにする授業作りのアイテムを紹介された。
両面ネームプレート> *たとえば、発言をしたら白でネームプレートを貼り、二回目発言をしたとき、発展した意見を出したときに、裏返し黄に変える。
花丸・シール・スタンプ> *クラス全体として、また個人として、一生懸命考えて内容が深まったとか、真剣に取り組んだとかいうとき、発言や記述の内容のすばらしいときノートや黒板に示すマーク。
ノートでの賞賛> *学習の終わりに課題について考えを書かせ、次時間までに読み、コメントを入れる。

 次に、これらをフル活用しながら駆使しながら進めた「わらぐつの中の神様」の実践の中から。
音読カードの工夫> *学習に入る前から音読に取り組ませる。内容を考えながら読めるように、題材や時に応じて課題を示す。
学習のめあて・方法の確認> *何を学習するのか、どう学習するのか、目的意識・方法意識を持たせる働きかけ。
課題作り> *子ども達が、自分の課題としてとらえられるように、みんなで話し合って課題作り。
全員参加の話し合い> *全員が考えを話すということをまず決め、先のアイテムをフル活用。
子どもの意見が交じり合う板書> *板書が子ども達の意見交流の舞台となるように工夫。

 続いて、「地球環境について考えよう『一秒が一年をこわす』・『ホタルのすむ水辺』」二つの教材を比較し自分の考えを持って話し合う学習実践。

 最後に、西秋先生の考察から引用しておきたい。
「心から自分の考えを伝え、友達の考えを聞くという学習を繰り返す中で、子ども達も教師も学んでいくと考える。しっとりと聞き合い、切々と語り合う、そんな授業ができたらと思う。」
「文学教材が減り、授業時数も以前に比べぐんと少なくなった。…中略…しかし、『聞く・話す』学習活動を設定することで、自分の考えを伝えたり相手の人格を感じたりでき、…」
「子どもが学習に勢い込むには、なによりも子ども一人ひとりの考えを大切にし、教師がどれだけ熱意を持ってその授業に臨んでいるかが最も大切だと思う。教師の思いは、子ども達に伝わるものであり、そういう学級作りを心がけてきた。」
(彦根市立河瀬小)