ニュース番組をつくろう 〜伝え方を工夫して〜
池 嵜 繁 伸

 5年生の社会科に「ニュース番組をつくろう」という学習活動がある。「情報」の伝え方について学ぶ学習で、子どもたちが大変勢いづく活動の一つである。
 以前5年生を担任したとき、子どもたちは、ビデオカメラとマイクを持って、地域へ取材に出かけていった。商店街や地域の名所・旧跡で、魅力的な映像やインタビューの様子を撮ることができた。
 しかし、取材の映像ばかりに力が注がれ、キャスターや編集等まで意識を向けることができなかった。すべてのグループが取材の映像を撮影し終わるまでに、かなりの時間を費やしてしまった。

 今回は、国語科の『伝え方を選んで、ニュースを発信しよう』「ニュースを伝える/伝え方を工夫し て発信しよう」(光村5下)と関連させて学習をすすめた。
 まず、社会科で、ニュース番組がどのようにしてつくられるのかを学習した。放送記者、編集、キャスター等の仕事の内容や役割についても確認していった。
 次にグループごとに学校生活の中でニュース番組にできそうな題材について話し合った。子どもたちが選んだのは次の4つであった。
 ・なわとび大会について
 ・学校の先生紹介
 ・今流行っている遊びについて
 ・6年生を送る活動について

 1つの番組を約4分間でまとめることにし、その構成について各グループで考えさせた。大まかな番組の流れは次のようである。
 ○キャスターの「あいさつ」 ・ニュースの概略
 ○取材の映像  ・現場の様子 ・インタビュー 等
 ○キャスターの「まとめ」
 放送原稿を書く際、国語科の教科書本文をもとに、書き方の特徴や注意するところを確認した。

 今回のニュース番組づくりでは、取材用と本番用にテープ2本とビデオカメラを2台用意した。本番用のビデオカメラでキャスターのあいさつ等を撮影した後、取材してきた映像を次のような方法で編集した。液晶モニター付きのビデオカメラを利用し、取材してきた映像をそのモニターに映し出し、もう1台の本番用のビデオカメラで直接その映像を録画するのである。画質はかなり落ちるが、子どもたちの手で編集をすることができるし、簡単に映像にナレーションを付けることもできる。

 自分たちがつくったニュース番組を見つめる子どもたちの表情から、今後ねらいをより明確にして取り組むことで、言葉の力を効果的に育てることのできる魅力的な学習活動だと改めて感じた。
(彦根市立平田小)