ポスターの活用(私案)〜いつも心にきいてみて
吉 永 幸 司

1 ポスターの魅力
 教材としてポスターを活用すること多い。ポスターの魅力は、テーマが明確なことである。多くの人に訴えるという目的があるので余分なことを省いているし、絵や写真も吟味された完成品である。
 また、ポスターからのメッセーは分かりやすいし、絵や写真は目的に応じた工夫がある。
 授業という場で対象の学年に応じて工夫ができるのも魅力の一つである。

2 「いつも心に きいてみて」
 平成16年度の「秋の全国火災予防週間」(消防庁・全国消防長会)は「火は消した? いつも心に 聞いてみて」がポスターのテーマである。「11月9日は119番の日です」など必要な文字を制限し、中心は荻野なおさんの写真である。白い歯を出した笑顔が愛くるしい。
 このポスターを使ってどのような授業ができるだろうかと考えてみた。

(その一) 漢字で書けるところを探す
 写真の特徴を生かし、漢字探しである。目・歯・口・唇・瞳・眼差し・表情というように探していく。条件を決めればどの学年でも教材として活用できる。

(その二) 修飾語を使って
 荻野なおさんの笑顔を説明するという方法がある。「顔」あるいは「笑顔」の修飾語を考えるという学習活動である。
 「うれしそうな顔・にっこりと笑った顔・誰かを待っている時の顔・無理に笑っている顔」というような言葉が生まれてくれば、さらに広がりのある活動が考えられる。

(その三) 「火を消した?」を生かす音読
 音読という学習活動が効果的である。「火を消した?」の一文であるが、これを生かして前後の文章を作るのである。例えば、
 「家族で旅行に出かけることになりました。出発をしようとする時、お母さんが、火を消した? と聞きました。あわてて車から降り、火を消したかどうか確かめるために家に戻りました。」
というような文章(短作文)を作らせると「火を消した?」の一文で場面や状況が明確になってくる。

(その四) キーワードを見つける
 「きいてみて」を生かして、「いつも」「心」などを見つける学習活動に面白さがある。
(京都女子大学)