「体を守る仕組み」で(4年)
中 嶋 芳 弘

 「表現力の遅れが目立つ」「文章を書いたとき、平仮名と片仮名が混じったり、促音や拗音が抜けたりする」「漢字は自力ではほとんど書けない」「読むときも、促音や拗音が読めない」気にかけているK児がいる。
 「体を守る仕組み」で小段落に番号を打ち、全文を少し大きく印刷して配った。次のように一人学習の課題を示しておいた。
○漢字に読み方を書きましょう。
○大きく次の三つのまとまりに分けましょう。
 ・話題を、読者にしめしている部分
 ・例を挙げて説明している部分
 ・話題についてまとめている部分
○「でも・また・ですから」などの接続語に○をつけましょう。

【漢字に読み方を書いて】
 クラスの多くの子が「簡単だ」と挑み始める中で、いつもなら億劫がる彼も勢いに飲まれて取り組み始める。時々、学習班の仲間に助けられながら。
 そして、全員が書けたところで、全文をリレー音読をしながら確かめていく。拗音や促音があるときは、板書して示す。「小さいつ抜かしてた」つぶやきながら直していくK児。 「原因ってげんいんやったん。げえいんと書いてたわ」方言的な発音に気が付いて直すT児。「ぼくも」とW児。取りだして板書しながら、「合っているかなと思ったら辞書を引く習慣を付けておくといいね」「ええっ。面倒や」と言いながら辞書を取りに行くO児。各班に辞書が用意された。「微生物はびせいぶつ」「わたしは、びせえぶつと書いてる」「では、これはどうかな(通ると板書)」「とうるやな」「とおるやで」「本当や。とおると書いてある」…「辞書引くのおもしろいな」…
 この確かめの学習を終えて「三つの課題が終わったら、続きの学習は教科書で進めるから、間違わないでしっかりと読めるように練習しておきましょう。教科書には読み方は書いてないからね」と声をかけると、「わかりました」とK児。

【三つのまとまりに分ける】
 さて、ふりがなを書く活動を早く終える子がいる。彼らは、プリントを読み返し、一つ目・二つ目のまとまりの段落の終わりに線を引いたり、接続語を探したりして、確かめまで一人学習を進めていたのである。「体を守るための仕組みがあるのです。と書いてあるし、これから仕組みについて書くと言うことだからCの終わりかな」S児のつぶやきが聞こえる。この学習が、次の時間につながっていく。
(彦根市立河瀬小)