本棚  吉永幸司の国語教室
吉永幸司 著 BK1
小学館 教育技術MOOK 2004.6. 1524円
吉永幸司の国語教室

 国語の授業は苦手だという教師は多い。国語は大事だと誰もが思っているが、国語の授業が楽しくできないのである。そんな悩みに著者は、次のように答える。
国語の授業は、難しいものではなく、学びたい気持ちに答える授業の技術を持つかどうかが分岐点になる。… 日常的に使っている言葉が学習の対象であるので、新しさや変化がなければ、授業は平板になる。授業に新鮮さが求められる教科である。(p4)
では、どんな「技術」があればいいのだろうか。
 例えば、2年「子どもを引きつける発問・指示の秘訣」では、【発問・指示のポイント】が5つ示されている。次に、3つの発問のタイプ(事実や事柄について答えさせる発問・感想や思ったことを答えさせる発問・関係づけたり考えたことを答えさせる発問)とその長所・短所の説明がある。さらに、導入・展開・終末の各段階における発問の違いについても説明される。いずれも具体例が示されていてたいへんわかりやすい。

 「学ぶ意欲を育てる授業の技術」と「『確かな力』を育てる授業づくり」の2部で構成されている。授業のアイデアが満載である。授業を変えたいと思うのならおすすめの1冊である。(常諾真教)