▼独居の高齢者や乳児や幼児との関わりの多い民生児童委員をさせてもらって3年目になる。「子育て教室」で乳幼児と関わりゲームをしたり歌を歌ったりしながら、子育て真っ最中の母親の相談役になったすることが多い。独居の高齢者とは訪問という形で話し相手役を引き受けるのが日常活動である。

▼小学校に在職中には気づかなかったが、乳幼児と高齢者では話題に違いがあることが分かった。「子育て教室」の乳幼児は、次に何をしようかという目で、動き、触れ、見つめている。好奇心の固まりのように全身で次の活動へ向かっている。高齢者は、「この間、心配なことがあって」とか「若い時はこのようなことはなかったのに」という言葉が繰り返し出てくる。言葉にして安心にするのであろう。

▼言葉はその時々の生きるエネルギーのである。「次、何をするの」を繰り返す乳幼児は明日を、高齢者は生きてきた自分の姿をエネルギーにしているように思えるからである。

▼1年生を担任したとき、「昨日の勉強を思い出しましょう」という言葉で始めた導入がうまくいかず「今日は楽しい勉強だよ」と言ったら子どもの目が輝いたことがあった。今、あらためて納得している。(吉永幸司)