説得力のある話し方を考えよう
岡 嶋 大 輔

 5年生の教室。「インスタント食品とわたしたちの生活」(東京書籍5年下)を学習し、インスタント食品を積極的に利用すべきか、そうでないのかを話題にして自分の考えを述べ合った。
 子どもたちは言いたいことをたくさん述べることができているのだが、さらに説得力のある話し方について学習すれば話す力が伸びると考えてその後、ディベートの形式を借りて自分の考えを述べ合うという時間を設定した。

 始めに、説得力がある話し方について考え合った。
・はきはきと自信を持って話す
・相手の目を見て話す
等の外見上の話し方や、
・理由をしっかり話す
・例をくわしく話す
といった話の内容にかかわることが出てきた。

 次に、学級で4つのグループを作り、2つのグループがディベートをして残りの2つのグループが評価者になるという形で進めた。評価者は、説得力のある話し方をメモするように指示した。話のテーマはいくつか提示したが、考えがたくさん出そうという多数の意見で、一つ目は「旅行するとしたら国内がいいか国外がいいか」ということにした。
 意見交流のだいたいの流れとしては、立論でそれぞれの良いところを話し、反論で相手よりもさらによいところを話すような形になった。お互いのマイナス部分を指摘し合うのでなかったのは、聞いていて気持ちよかった。

 話の中で、
「先ほど、日本には森林が多いと言っていましたが、世界にはアマゾンの大森林のように、もっと広い森林が広がり、自然がたくさん残っています。」
「例えば、自由の女神やピラミッドといった、日本には無いようなものが世界にはあります。」
といった、「先ほど○○と言っていましたが〜」「例えば○○といった〜が」等の、押さえておきたい話し方のポイントとなる言葉がたくさん出てきた。教師が話形を提示したわけではないのにそのような言葉を出してくれたことは嬉しい。

 さらに、私が言うまでもなく評価者のグループがそのことを挙げて評価したことも嬉しい。さらに続けて「確かに○○ですが〜」等の話し方や、付け加えて「時間が余ったらもう一度ポイントを繰り返すとよい」「結論は自信たっぷりに言い切る」等のアドバイスが出てきた。

 始めに良いものを提示するのもいいが、それが出てきた時に機会を捉えて価値があると気づかせる場を持つことが授業に活気を生み出すということに気付かされた。
(甲賀町立佐山小)