漢字のしりとり二種
伊 庭 郁 夫

 「漢字のしりとり」を5年生でした。方法は、2種類である。
 一つ目は、漢字の熟語でしりとりをする方法である。教科書には「新旧」ー「旧式」ー「式場」の例が示されている。
 二つ目は、「道徳」(どうとく)ー「空想」(くうそう)ー「運命」(うんめい)のように、一般のしりとりの要領である。
 授業の扱いは2時間である。

 1時間目は、教科書のしりとりの例題に穴埋めをしていくことから始める。
 ヒント欄に、「海孫害力給塩性夫出」という漢字が示されている。これを手がかりにしながらしりとりの練習をする。「開演」がスタートである。
  開演ー演出ー出火ー火災ー災害ー害虫
 同じような例があと2つある。

 2つ目の方法も枠の中にヒントがあり、考えやすい。ヒントは、「物課差置過折全貝衣士信」である。  例題として次のようなものが示されている。
  時差ー桜貝ー位置ー地価ー課税ー衣服
 例題がもう1題ある。 指名し、一人ひとりに板書させた。

 授業の2時間目の展開である。
 まず、熟語でのしりとりをする。最初の漢字は、「自分の名前の1字」又は「十二月の月」を使うことにした。
 「木村さんの例」(自分の名前の木から始める)
 木材ー材料ー料理ー理科ー科学ー学習ー習字ー字体ー体育ー育児ー児童ー童話ー話題ー題名ー名前ー前回ー回転ー転落ー落石ー石炭ー炭火ー火事ー事実ー実現ー現場ー場合ー合計ー計算ー算数ー数学ー学校ー校門ー門限ー

 「月」を使う例
 月夜ー夜空ー空気ー気温ー温度ー度数ー数学ー学問ー問題ー題名ー名作ー作品ー品物ー物産ー産地ー地価ー価格ー格別ー別室ー室内ー内面ー面積ー積雪ー雪上ー上流ー流水ー水道ー道路ー路肩ー肩車ー車体ー体育ー育成ー成長ー

 この方法で最低3行以上できた子どもは、2つ目の方法でしりとりをする。ここでは「道徳ー空想ー運命ー」を共通とし、その続きを考えることにした。
 道徳ー空想ー運命ー衣服ー口数ー図工ー雲海ー意味ー味方ー縦糸ー灯油ー弓矢ー野外ー家路ー事故ー子供ー模造ー海辺ー勉強ー植木ー器械ー移動ー

 子どもたちが集中して、黙々と取り組んでいる姿が印象的であった。つまずいている子どもにはヒントを与えた。あちらこちらで辞典を引きながら調べている姿が見られた。自然と漢字の使い方が身につき、語彙が豊かになる。
(安曇川町立安曇小)