巻頭言
音 楽 室 日 記
武 井 正 明

 子どもの頃から日記を書いたことがない私が、まめまみランドというホームページを開設し、その中で「音楽室日記」というページを始めた。

 音楽の授業に関する話題が中心であるが、大阪人気質で「笑い」を意識してしまう。一日の学校生活の中で何か笑える事がないかという視点で書いている。
 そんな日記が、こともあろうか国語の専門家である吉永先生の目にとまり、原稿依頼まで受けるということになったのである。

 そこで、最近の「音楽室日記」の中からピックアップして紹介したい。とても恥ずかしいことであるが……。

[11月26日]
 お父さんもお兄さんも前任校の時の関係でよ〜く知っている6年生のM君。修学旅行で『もみじ饅頭』を一箱買って来てくれているはずがなかなかもらえていない。今日、本人にどうなっているのかと聞くと、その兄と父が「先生にやるんなら食べてしまえ」と言って食べたらしい……。
 6年生で合奏をしていたら、アコーディオンを弾いている女の子が困っている。本人が正直にキーを上に上げてしまったことを言いにきた。アコーディオンのキーの修理ならお任せと、楽器を分解してチャッチャッと修理したところ、まわりの子たちが「うぉーーー」と驚いた。

[11月21日]
 五年生の水泳実習に付き添ってきた。行き先は市の健康増進センターで温水プールである。
 一番泳げる班を受け持った。泳げる子ばかりなので何度も往復した後、壁をけって息をせずにどこまで行くかという競争をした。私が一番だった。その次にバタ足だけはしてもよいという競争をした時は、子どもたちも本気で勝ちに来て四番だった……。  最後の十分は自由に遊んでいい時間なので、子どもたちと一緒になって無邪気に遊んだ。

 このように、学校での出来事の中でおもしろいと思えることを話し言葉で書いている。
 たまに、吉永先生のように全く見知らぬ方から感想を寄せられることもあるので、また頑張ろうというパワーになる。
 子どもの頃から日記を書いたことがない私でも続けられるのだから、ホームページには魔性の魅力があるのだろう。
(大阪府泉佐野市立北中小学校教諭)