▼学級担任から教務に分掌が変わったとき、国語科の授業を専科として担当したことがある。その時のことで今も覚えているのは、学習進度が早かったことである。1時間の指導計画で、学級担任として授業をした時は、時間に余裕がなかった。しかし、専科の形で授業をした時は、時間が余った。

▼学級担任の時は、国語の授業であっても、躾や整頓、発表の仕方等、学級経営的な指導に時間をかなり使っていた。ところが、専科の場合は、教科の指導がほとんどであった。違いといえば、このことだろう。

▼学級経営がしっかりしていれば、当然45分、教科に集中できる。が、そうでないと教科指導以前に時間をかけてしまうというのが実態であろう。

▼1年生の授業で二通りの教室を参観した。一つの教室は、挙手は指先まで伸びていたし、発言は文末まで大きな声で言えるように指導が徹底していた。教師の指示に対する反応が素早いので学習の節々がはっきりしていた。もう一つは、「大きな声で言いましょう」と繰り返し指導したり、指示が徹底しないので、度々やり直したりして、滑らかに授業が進まなかった。

▼研究会などでは、学習態度や躾はあまり話題にならない。しかし、指示がすぐに周知するかしないかでは成果には違いがあるはず。

▼改めて日常的な指導の在り方を見直したい。(吉永幸司)