「 一 つ 上 」 を め ざ し て
北 島 雅 晴

 第8回「新しい国語実践」の研究会北海道大会に参加した。7月27日と28日の両日。札幌では、最高気温が20度に満たず、まだ夏を迎えたとは言えない爽やかな気候であった。今回は、低学年の話すこと・聞くことで提案をする機会を得た。提案をするにあたり学んだことをまとめる。

 今年度は学級担任をすることができなかったので、すべて自分の授業として提案することはできない状況にあった。初任者研修の担当であり、たまたま初任者が2年生の担任であったため、1学期の学級作りを支える形で取り組んできたことを報告することにした。

 学年始めは、教室全体がざわざわした状態で、なかなか落ち着いて授業ができないことが課題(悩み)であった。
 ◆教師や子どもが話をしようとしても、聞く態度がまだできていない。
 ◆授業中も元気な子がいて、その子の個別指導をしている間に、学級全体が把握できなくなることもある。
 ◆子どもの声が弱く教室全体に届かない。
といった状況を解決していくことが課題となった。そこで、
 ●朝のスピーチ(後にひまわりタイムと名付ける)を充実させて話す聞く力をつけること。
 ●元気な子によって教師が鍛えられているのだという姿勢で臨むこと。
 ●読み聞かせにより、本を好きにさせるとともに、じっくりと話を聞く習慣をつけること。
以上3つのことを大切に実践を進めようと考えた。

 ひまわりタイムでは、「わたしのたからものをしょうかいします」というテーマでスピーチをはじめた。その日にスピーチにあたっている2人を朝登校と同時に別室に呼び、練習をさせる。実際にスピーチをしてみて、自信をもって本番に臨むためである。この個別指導は、私がすることにした。担任は教室に一番に行き、子どもを迎えることを続ける。いろいろな話をもって登校してくるのが2年生であり、その話を教師が聞くことが大切と考えたからである。教師が良き聞き手になる必要がある。

 当たり前のことを当たり前につづけていくことを大切に取り組んだ初任者の1学期であった。でも、ひまわりタイム等の取り組みで、確実に教室が落ち着いてきた。今回の大会テーマ「一つ上の」という言葉が気に入っている。地道に一つのことをつづけていけば、必ず「一つ上」が見えてくる。
(草津市立草津第二小)