国語実践・北海道大会で得たもの
伊 庭 郁 夫

 寝台特急「日本海1号」に乗って、青函トンネルを渡るという夢を実現して北海道へ。
 第8回「新しい国語実践」の研究会北海道大会は、大勢の温かいスタッフの出迎えを受けて開会。
 私が参加した「話すこと・聞くこと」の部会で得たものを挙げる。

○「確かな話す・聞く力を高める教室づくり」(小2)さざなみ国語教室の北島雅晴先生。
 教師の前向きな姿勢として「朝は一番に教室に行き子どもと出会う」「自信を持って話す経験を積ませるため、スピーチ前に個別指導を行う」「宝物のスピーチでは、絵を描き、思い出したことをカードに書く(1人10枚程度)」「必要なカードとそうでないカードを分け、必要なカードを話す順に並べる」。この地道な取り組みの中で発表をしようとしないY児が、「ちょっと、紙を貸して。言うことを書くから」と言って、堂々と話をしたのが印象的であった。

○「友だち発見(いいこといっぱい見つけよう)」(小3)大阪の横田佳代先生。
 一人一人に話す・聞く力をつけようとされている丁寧な実践。
 お話ペアで、良いところを見つけ、取材をする。スピーチメモを作り、練習をして発表会をする。さらに、発表会で紹介された時の気持ちや、自分が紹介した時の感想や反省を書くのである。つまり、「話す・聞く」と「書く」活動が関連し、どの子もが自信を持って取り組めるよう工夫されている。

○「洗練された話し方・創造的な聞き方のための国語学習」(小5)青森の庭田瑞穂先生。
 ラジオCMを創る実践である。子どもの意欲が飛躍的に伸びたのが「プロの話し方」と比較する場面である。3年生に向けてのCM作りで、実際に作成した録音テープを聞いた。その声からは、楽しさとオリジナルな魅力、そして班で協力する姿勢が伝わってきた。

○「積み上げて伸びる話す力・聞く力、つなげて広がる話す力・聞く力」(中1)地元北海道の横井美史先生。 
 まず、話し合いの意義を確認する。「人間が円滑な社会生活を営む上で欠くことのできない活動」であることを押さえ、「悪い話し合い」とは、どんな話し合いかを出発点に授業が展開する。そして、「対話」から「小グループでの話し合い」そして相互評価や実践テストへと進んでいく。小学校との系統性まで研究された取り組みである。

 本年度は提案について、2日間にわたり協議がなされた。私は、1日目に私見を提出し、2日目に補足説明をする時間を頂いた。「話すこととメモすること」の件である。また、今回も夜の懇親会などで、新しい出会いと刺激を得た。
(安曇川町立安曇小)