4 コ マ で お は な し
川 那 部 隆 徳

 現段階の1年生は、ひらがなの読み書きを終え、文字から語句、語句から文へと学習を広げつつあり、これまでは、言葉遊びや数え歌などを取り入れながら言葉に対する興味関心を高めることに主眼をおいてきた。

 本学習は、文からお話の世界へと発展させていく一過程として位置づけ、4枚の絵それぞれの場面にあった登場人物の吹き出しを考えた。
 ここでは、入門期にある子どもたちに絵を手がかりとしながら想像を膨らませ、4コマで展開するストーリーのおもしろさにふれさせることにねらいをおいた。

学習計画
第一次(3時間)
・教材「みんなのせかい」(東書)をみて、絵から登場人物や動物が話していることを想像する。
第二次(3時間)
・4枚の絵のストーリーにあった吹き出しを想像する。
・4コマ漫画の登場人物の会話を楽しむ。

授業の実際(第4時)】
 まず、4枚の絵のうち1〜3コマの3枚を見せ、それぞれの場面の様子を想像しながらストーリーをつかみ、4コマ目を想像させた。
 1コマ:くま君がイチゴ狩りをしてたくさんのイチゴをもって帰ろうとする。
 2コマ:水たまりですべってこけてイチゴを落としてしまう。
 3コマ:家についたときには、イチゴが3個になっており、泣きべそをかきながら両親に迎えられる。

 T 4コマ目はどうなると思うかな。
 C 3人で3個のイチゴを1つずつ分けて食べたと思う。
 C お母さんに叱られると思う。
 C せっかく楽しみにしていたのにとお母さんやお父さんが残念がっていると思う。
 C お母さんがケーキを作って、その上にイチゴを置いてくれて、3人で食べたのじゃないかな。
 C お父さんやお母さんがくま君を慰めていると思う。
 T 4コマ目(お母さんが作ったケーキの上にイチゴを置いて3人で食べている)の絵を示す。
 C ヤッター。あたった。
 T どうしてそう思ったのかな。
 C イチゴが3個だけだったら、少なすぎるけれど、ケーキだったら、3個のイチゴでも充分だから。   (後略)

 このように絵を頼りにしながら場面の展開をつかみ、登場人物の吹き出しを考えていった。
 次時は別の4コマの絵について役割演技をおこない、即興で登場人物の会話を楽しむことができた。
(滋賀大学教育学部附属小)