ストップウォッチを片手に、原稿づくり
海 東 貴 利

 朝の会の時間に、1分間スピーチを取り入れている。この活動を通して子どもたちにつけたい力は、自信を持って話せるようになること、思いやりを持って話が聞けること、そして、話すこと・聞くことが楽しいと思えるようになることである。

 子どもたちのスピーチに対する思いは、「みんなの前で堂々と話せるようになりたい」「みんなに自分の気持ちを伝えたい」「緊張するから話すのは難しい」「1分間って、案外長く感じる」など、上手になりたい、どうすればうまく話せるのだろうというものである。

 何もなしに話すのは難しいので、きちんとスピーチの原稿を書くようにしている。スピーチの当日も必ず原稿を持ってくるようにし、原稿を見ながら話してもいいことにした。発表を終えた後、子どもたちに話すときの姿勢や声の大きさ、スピーチの時間など観点に従って評価し、アドバイスを原稿に書き加え返却している。

 朝の会にスピーチを取り入れて1か月たったが、課題は多い。
 まず、原稿を見て話すためか、声が小さくなること。1分間話すことができないこと。発表原稿が1分間のものになっていないことなどがあげられる。原稿を書き、スピーチに臨むという形はできあがってきたが、前よりも上手に話してみようという目的意識が足りないように思えた。

 そこで、グループごとにストップウォッチを持たせ、スピーチ原稿が書けた子から、それが1分間で話せる内容のものになったかどうか計測し、しっかり原稿を書くことから始めた。ストップウォッチを片手に原稿を読む練習をするというだけだったが、子どもたちは1分間というめあてをもって、とても意欲的に取り組み始めた。内容が短ければ、もう一度書き直したり、また、同じグループの中で時間を計り合ったりする様子も見られた。単純な活動ではあるが活動を勢いづけることができた。
 1分間で話せる原稿が書けるようになれば、次は話し方に重点を置いた指導をしていきたい。

 入学当時から少人数のクラスで編制された学年のためなのか、声が小さくてもある程度聞き取れるので、小さい声で話す子が子が多い。聞く人が納得できる声の大きさで話せるように支援していきたい。

 自信を持って話せるようになるためには、少しずつ段階を追って練習していかなければならない。毎回のスピーチの時間が形だけで終わらないように、いつも課題をはっきり持たせて、数多くのスピーチの機会を作っていきたいと思う。
(安曇川町立青柳小)