一 喜 一 憂 〜四字熟語遊び〜
好 光 幹 雄

読み手  「いちご。」
取り手1 「え、いちごはおいしいな。」
取り手2 「何冗談言うてんの。一期ときたら一会。」
読み手  「せんさ。」
取り手3 「万別。」
 4、5人がグループになって、教室のあちこちから一喜一憂の歓声が聞こえてくる。これは、四字熟語の上の二文字を読み札に、下の二文字を取り札にしてのカルタ遊びの様子である。

 四字熟語は、微妙なニュアンスを伝えるため、あるいは的確に意味や意図を伝えるためによく遣われる。書き言葉でも多く用いられるが、子どもたちが日頃四字熟語に接する機会が多いのは、やはり大人の話を聞いたりテレビなどのマスメディアから流れたりする音声言語の方である。

 しかし、この四字熟語の意味や遣い方を子どもたちはどれだけ知っているだろうか。総合的な学習で地域に出かけていって様々な人にインタビューしたり、ゲストティーチャーを招いて話を聞いたりしても、子どもたちには理解できていないであろうと思われる四字熟語が出てくる。子どもたちは分かったようなふりをして、うんうんと聞いているが、本当に分かっているのかどうかは疑わしい。
 ちなみに「八方美人」の意味を聞いてみると、
「どこから見てもきれいな人のことでしょ。」
と、それなりに漢字の意味も含めて考えてはいるが、やはり分かってはいない。

 そんな子どもたちの様子を見ながら、6年生の子どもたちに語彙を豊かにする指導が必要であると常に考えている。今回は特に四字熟語に焦点を当て、進んで楽しく四字熟語の学習に取り組める実践を試みた。

【四字熟語カルタで遊ぼう】
(1) 「八方美人」など意味を間違えやすい四字熟語を取り上げ、国語辞典を引きながら意味を考えたり、四字熟語のおもしろさを味わったりする。
(2) 4字熟語のリスト100を配付し、知っているもの知らないものをチェックし、調べながら確認する。
(3) 個別に(2)の続きをしながら、確認した熟語ごとにカルタを作っていく。(家庭学習も含む)
(4) カルタができあがった頃を見計らって、グループで遊ぶ。

 この実践では、特に(4)が子どもの喜ぶところで、休み時間になっても楽しんでやっている。婆抜きにしたり、神経衰弱にしたり、ルールを変えるといろんな楽しみ方ができるのも人気の理由である。
(大津市立堅田小)