温かいことばの通うサークル総会
廣 瀬 久 忠

アスリートサークル部長 「昼休みに企画している大縄大会の表彰式をテレビ中継してもらえませんか。」
MBCサークル部長 「喜んで引き受けます。詳しいことをまた、教えて下さい。」
アートTサークル部長 「僕たちの作った裏山に置くベンチにペンキを塗ってきれいなベンチにしてもらえませんか。」
アートUサークル部長 「自分たちの計画に時間の余裕のある時で良ければ、先生とも相談して引き受けます。」
 このやりとりは、本校が昨年度から取り組みだしたクラブ活動と委員会活動を融合させた「サークル活動」の年2回行われるサークル総会のひとこまである。

 これまでのクラブ活動は、異年齢の同好の士が自分たちの興味関心の中で主体的な活動を展開してきた。しかし、委員会活動は、子どもたちの主体的な学校自治の活動と言うよりも毎年毎年「学校生活をより豊かにする」目標の元にそれぞれの与えられた活動をこなす委員会が見受けられた。
 なんとか子どもが主体的に創造的に「自分たちの手でこの学校をよくしていこう」と考える手立てはないものかと二者を融合することで打開策とした。
 同好の士が、自分たちのサークルから見て、学校をよくするためにできることを考える。従前の委員会活動ですすめてきた活動で抜け落ちるものは実行委員会を立ち上げる。

 サークル総会冒頭に特別活動担当T教諭は、総会に参加する心構えを次のように語りかけた。
「サークルへの質問や意見はそのサークルが前向きになれる内容にしてください。これから先のことを考えられる内容です。それから、部長の説明のあと、質問の内容が説明を聞いていれば分かる質問は避けてください。そのサークルがガッカリします。また、副部長は質問や意見を記録して、次回のサークルでの話し合いの準備としてください。」
 T教諭は、部長の説明をマイクを使うか使わないか選択させている。リハーサルを繰り返し、堂々と自信を持って語りかけることを要求していた。当日の会場の子どもにも聴き方や話し方についての指導を怠らなかった。

「ちゃチャ茶サークルのお茶会は美味しくて、楽しかったです。3学期にももう一度企画してくれませんか。」
「おいしんぼうサークルが作る体にいいレシピカードをどこかに展示してもらえませんか。」
 温かいことばの通う場でことばが磨かれる。ことばは心である。
(石部町立石部南小)