巻頭言
パ パ、ま た 遊 び に き て ね !
小 山  玄

「にゅうにゅう飲むの!」
「こっち遊ぶの」
「音楽ついた!」
「こっちおいで」
 娘がこういった2語文を話すようになったのは、2歳になる少し前のころでした。同じころに、
「自分で!」
「これなに?」
を頻発するようにもなりました。
 2歳半の今では、「葵ちゃんわからないの。パパしてみて」「パパ今日、会社行かないの!」などかなりいっちょまえにしゃべっているし、「電池なくないの」といった否定文まで使いこなしていて、びっくりさせられます。 

 娘がお腹の中にいたころは、知っている限りの歌をお腹に向かって聴かせてあげるのが楽しみでした。生まれてからは、「オムツ替えるから足を上げようね」「今日はちょっとあったかいね」などと話しかけるのが楽しみになりました。
 今では、たとえば「一緒にお風呂入ろうか」と言うと、「ビデオみるの!」とだだをこねることもしばしば。そんなとき、「ダメ! お風呂入りなさい」と言うのではなく「お風呂入ってからまたビデオみようね」と話しかけると、「う〜ん、どうしようかな〜」などとしばらく自分なりに考えて気持ちの整理をつけられるようです。
 風呂場の水道で遊び始めても、「もう〜、もったいないからやめてって言ってるでしょ」と言うと、よけい意地になってしまいます。思い切って遊ばせた後、「お水は大切だから大事に使おうね」と話しかけると、そのときはわからなくても、やがて「パパ! お水大事よ!」と叱るようになるから面白いものです。

 しかし! なんと! 最近仕事に行くときに、ニコニコ笑いながら「パパ、また遊びにきてね!」と言われてしまいました。話では聞いたことがありましたが、まさか自分が言われるとは! 確かに最近忙しくてあんまり家にいなかったけど…。きっと、なにかのテレビのまねに違いない! 以前はぼくが出かけるたびに泣き叫び、駅まで一緒に散歩しないと気持ちの整理がつかなかったのに…。
 秋には二人目が生まれます。娘の言葉の進化?も楽しみながら、二人目のときはまた何か面白い発見を引き出したいな、と今からわくわくしています。
(小学館「小六教育技術」編集部)