合 同 研 究 会 に 学 ぶ
三 上 昌 男

 7月27日、奈良・かつらぎ会とさざなみ国語教室との第2回合同研究会が、いこいの村大和高原で開催された。

 かつらぎ会からは、米田美智代先生が、「絵を文章で表現する(6年)」の実践発表をされた。
 「書くこと」の中心的な活動として、提示された3枚の絵(いわさきちひろのカレンダー)の中から、文章にして伝えたい絵を1枚選んで200字程度で表現する活動が設定されている。3枚の絵は、子どもたちの想像的な思考をかき立てるもので、子どもたちが書き上げた文章は実に多様である。
 書く目的に幅を持たせたこともあり、子どもたちの多くは、選んだ絵の印象を学級の友達にわかりやすく伝える(説明する)文章にするため、描写を工夫していることが分かる。
 米田先生の授業の展開に学ぶことが多い。その一つは、描写を工夫することを学ぶため、ポスターを活用した授業が前時にあり、色・数・大きさ・形・位置・比喩などの表現を、効果的に使用できるように支援されている。もう一つは、子どもたちが書いた文章を教材にして、表現の工夫について学び合う授業が展開されている。国語科の授業作りにおいて、育てる力を明確にし、段階的に学習する展開の工夫は、大切にしたいものである。

 吉永幸司先生からは、「今、国語教育が大事にしたいこと」と題して講話をしていただいた。吉永先生は、言葉の力を育てる国語の授業をどう展開するか、教材に即して具体的に示して下さった。
 吉永先生のお話を聴きながら、教材開発について考えていた。吉永先生は、常に新しい教材を開発しようとされている。読み聞かせや短作文に生かせそうな児童書を本屋で探す、身近にあるものを「話すこと・聞くこと」の教材にする方法を考えるなど、子どもたちに新鮮で興味関心を喚起させる授業を求め続けておられる。その柔軟なお考えに驚き、いつも刺激を受けている。

 案の定、吉永先生は、「宿題」という形で、米田先生が授業で活用された絵を使った授業を構想せよと言われた。懇親会の席は、会員相互の授業構想に学ぶ場となった。「この絵を使って、○年生の子どもたちにこんな力を育てる授業を」というアイデアが、数多く出され、懇親会は盛り上がった。
 合同研究会の数日後、国語科の研修会があった。私は、いわさきちひろのカレンダーの絵を数枚持っていき、教材開発の演習を展開した。参会者の感想は聞かなかったが、私が学んだことが伝えられたように思っている。
(近江八幡市立金田小)