4 月 ・ 子 ど も の 声
北 島 雅 晴
4年ぶりに5年生を担任する。新学期を迎え緊張ぎみだった子どもたちも、2週間も経つと、しだいに本音らしきものが聞かれるようになる。教室での会話や日記の中から、子どもの声をひろってみたい。 「委員会と家庭科が楽しみ」 5年生から新しく始まる学習。委員会が決定するまで、どの委員会に入ろうか友達と相談する姿が見られる。マイクに向かって全校放送をぜひともしたい等、子どもの素朴な願いが感じられる。第一希望の委員会に入れず、うちへ帰ってから、その日は落ち込んでいた子もあった。委員会・家庭科以外の学習にも、新しさを大切にしていきたい。 「静かに勉強したい」 教師は、教室に活気があるのがよいと思いがちである。子どもが一所懸命考えたいと感じる時は、教師や友達の話し声がじゃまになることがある。考えることと話し合うこととの区別をつけるとともに、教師のしゃべりすぎにも注意をしたい。 「日記帳を学校に忘れたので、家で日記が書けませんでした」 教科書やノートを忘れた時、何もしないで過ごす子が見られる。忘れたことが問題ではなく、忘れた時どうするかが大切である、と話をした。では、日記の場合はどうしたらいいのか、自分で判断できるようになってほしい。 「友達のスピーチを聞くのが楽しみだけど、声が小さくて聞こえないのが残念」 4文スピーチを始めた。自分のことを素直に相手に伝え、友達の思いを知ることがねらいである。 4文という気楽さもあったのだろうか、話す表情にも明るさがでてきた。大きな声で話すように教師 は指示するが、子ども同士がどのように感じているかがさらに大切だと感じる。自分の思いが教室の みんなに届くような話し方を工夫しようというめあてを作るきっかけとなった。 「やる前から、あきらめたらあかん」 みんなの走りを見ていると、多分リレー・フェスティバルは4位(4クラス中)だろう。でも、結果よりもみんなが全力を出すのが大切だ、という話をした時の子どもの言葉である。それ以後、有志が集まって昼休みにリレーの練習を始めた。この期間、学級の雰囲気が盛り上がった。 この1年、子どもの言葉を手がかりに、授業を作っていきたい。 (草津市立草津第二小)
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