<全小国研公開授業>
な り き り イ ン タ ビ ュ ー
高 野 靖 人

「緊急事態です。」
 ブロックの代表幹事から電話連絡があったのは、「体育の日」を含む連休があけた週の始めであった。公開授業の授業者が1人急病のため、代役を頼みたいとのこと。裏方に徹しようと準備を進めていたのだが、公開授業という大きなオマケがついた。

 学年は、5年生。予定されていたのは、友達を紹介するインタビューの授業である。指導案は、既に印刷所へ回っていたのだが、全面的に差し替えることとした。
 「聞く・話すことで伝え合う力をのばす」という目標は同じだが、限られた時間での飛び入り授業ということを考え、子どもたちにとって未体験でインパクトのある学習活動を取り入れたかったからである。

 「なりきりインタビュー」では、まず2、3人の小グループを構成し、インタビュー「する人」と「される人」に分かれる。「される人」は、みんなが知っている有名人になりきって、インタビューに答える。このインタビューを通して、その有名人の情報を聞き手(他の児童)に伝えていくことがグループの目的である。なりきるといっても、顔・服装・声などを物真似するのではなく、「話の内容」と「話し方」で勝負をする。そのため、グループでの情報収集・整理・構成(インタビュー計画)が鍵となる。

 公開授業を含めて、全部で5時間授業をしたのだが、最も神経を使ったのは、1時間目である。初対面の挨拶から始まり、インタビューをしたり、されたりした経験の交流をした後、学習の目的を話し、見通しを持たせる。いわゆる「その気にさせる」時間である。
 ここで学習への勢いをつけて、数日後に2時間続きで、計画・練習をする。グループごとに対象を決めて情報を集めているので、インタビューの基本を教え、計画表に整理しながら、構成させていった。そして、練習。インタビューを受ける有名人役の児童は、当然計画表もメモも見ないで答えなければならない。この授業の最後に、発表順を決定した。

 そして、発表会の1時間目が、公開授業である。マイクを用意して、雰囲気を出す。「原新監督」「高橋尚子」「ドラえもん」「イチロー」など、多彩な有名人が教室に登場した。
 聞き手は、「なりきり度チェックカード」を持ち、相互評価して感想やアドバイスを述べる。

 この学習をして、とてもインタビューが好きになりました。とてもかんたんなので、家でもします。(児童の感想)

 公開授業の2日後、発表会の後半を行い、学習を締めくくった。
(大津市立仰木の里小)