本棚  「伝え合う力・考える力」をのばす授業づくり
瀬川榮志監修 滋賀県小学校教育研究会国語部会著 BK1
明治図書 全小国研シリーズ No.7 2001.10 2260円
「伝え合う力・考える力」をのばす授業づくり

 10月26日、全国小学校国語教育研究大会滋賀大会が開催された。それを機に、国語部会の研究成果をまとめたものである。
 「話すこと・聞くこと」「書くこと」「読むこと」「総合」の4つの領域それぞれにおいて、「伝え合う力」「考える力」という2つの視点から授業を考え、それぞれの領域にごとに「つけたい力」(「総合」においては、「支える力」)の系統表が作られている。

 第1章には、これからの「国語教室」を考えていく指針がたくさん示されている。
子どもの関心や意欲を大切にした授業は、指示や場の設定だけでなく、一人一人の子どもに適切な指導を行うという前提に立って成り立つものと考えている。

 国語科で行われるべき学習活動は、子どもが自らを言語生活の真ん中に置き、言葉で考え、伝え合うということのよさや難しさを体験することにねらいがある。

 よい授業は、子どもたちが、確実に力をつけているということを自覚し、自信を持って次の目標に向かおうとしている姿が見えるものである。
また、第3章以降には、「伝え合う力・考える力」をのばす16の実践事例が掲載されている。どれも工夫に満ちたものである。  (常諾真教)