<全小国研公開授業>
大津祭を紹介しよう ―わくわく発見まち探検―
川 那 部 隆 徳

 4月以来、総合的な学習として、身近な地域のまち探検をおこなってきた。今回はその一環として、大津祭をとりあげた。大津祭は江戸時代のはじめに始まり、ゴブラン織りや装飾金具に飾られた13基の曳山が市内を巡行する。そして、曳山のそれぞれにはカラクリが取り入れられており、大津祭の特色の一つとなっている。現在、大津祭保存会が中心に祭の保存につとめている。
 曳山が巡行する地域には本校児童が多数居住しており、お囃子に参加した子もいる。大津祭は児童にとって身近な存在である。
 この祭について取材し、それらを紹介することを通して、伝統を守る人々の工夫や願いを受けとめ、自分たちの生活のあり方を考えさせたい。紹介するために必要な事柄を収集したり選択したりする場では、中心点を明確にする等、国語科における「考える力」を必要とする。

【指導計画】 (全11時間)
1.学習の見通しをもつ。 (総合1)
2.教材文(「雪の中の綱引き」光村3年、「つな引きのお祭」東書3年)を、5W1Hに着目しながら読んで綱引き祭りがどのように紹介されているかを知る。 (国語3)
3.目的に応じた見学やインタビュー等の取材を行い大津祭について取材する。 (総合4)
 ・児童が設定した調査項目: 大津祭の由来、曳山、カラクリ、お囃子、ちまき、宵山、本祭
4.大津祭を紹介する。 (国語3)
 ・取材したことを交流し、紹介する内容を考える。 【本時】
 ・自分なりの方法で大津祭を紹介する。
5.わくわく発見まち探検のまとめをする。 (総合1)

 本時は、調査グループ毎に調べたことを短冊に書いて、2、3分程度で発表した後、中心に紹介する内容を3つ選ばせ、その理由を話し合った。カラクリや曳山のことは触れないといけないという発言が目立った中で、
「綱引き祭を紹介した教科書のように、5W1Hに関係することは、紹介しないと大津祭を説明したことにならないし、大津祭のどの内容を詳しく紹介するかを考えるといいと思う。」
という発言が見られた。
 教材文の段落構成の内容と大津祭の説明内容を比較して調査項目を設定したことによって、よりわかりやすく紹介するにはどのようにすればよいかを考えることができた。総合的な学習の場で、国語の力が生きた場面であった。
(滋賀大学教育学部附属小)