▼昨年に引き続いて、各地の成人式が話題になった。主催者や来賓の祝辞が聞けないだけでなく、式典を妨害するような出来事も引き起こされた会場もあった。当人は「やりすぎだった」と反省の言葉を述べているとテレビや新聞の一部は報道していた。この人達が「式典の参加の仕方を教えてもらわなかった」とか「どこが悪いのかわからない」と言わずによかったと素直にほっとした。

▼かつて、ある時期、学校が儀式的行事、特に卒業式や入学式をどう運営するかについて議論をした時期があった。また、指導の徹底が子どもの自主性とどう関わるかについて意見が分かれた時もあった。それらが今回の成人式と直接結びついているとは思いたくないが、大きな話題になった時、ふと考えたことがそんなに思い違いでなかったと、自分勝手に残念なことであると再確認をした。

▼話が聞けない、自分勝手、場の様子や状況を考えず行動する、大人の話が真面目に聞けない等。これは成人式のことを言っているのではなくて、今の小学生の実態である。成人式を迎えた人たちの態度が小学生並なのかどうかは知らないが、反省をすることが多い。成人式では自分たちの仲間が秩序を乱すことを止める仲間がいなかった。小学校の教室でも友達をたしなめる集団の力がなくなっている。(吉永幸司)