▼羽を傷めたカラスを見つけた子ども達は、その解決法を求めて職員室へきた。カラスをどうしたいのか、そのためにどんなことをしないといけないのかなど課題はふくらんでいった。助言を得て野鳥センターへ電話をしたり、動物病院をさがしたり、ちょっとした総合的な学習となった。

▼子ども達がどのように課題解決に向かって知恵を出し合うのかにも興味があったが、電話をしたり、困ったことを相談する姿に日頃の国語科で身につけた力がどのように働くのかにも関心があり、子どもの姿を見守った。

▼野鳥センターへ電話をして、尋ねてみるということになった時、誰が電話をするかが決まらなかった。進んで電話をするという子がいなかったからである。野鳥センターでは怪我をした鳥の世話をするのが目的ではないので、近くの動物病院で相談する方がよいという指導を受けたが、そのことの意味が充分理解できなかったらしい。

▼カラスは元気を取り戻したが、子ども達が話し合っている様子や電話の応対、それに、野鳥センターの方が丁寧に指導をした下さったであろう内容を適切に伝えていない様子を見て、生きた場で役立つ言語力の大事さをあらためて痛感した。(吉永幸司)